操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

ヴァンパイア・レスタト

ヴァンパイア・レスタト〈下〉 (扶桑社ミステリー)

ヴァンパイア・レスタト〈下〉 (扶桑社ミステリー)


ヴァンパイア・レスタト〈上〉 (扶桑社ミステリー)

ヴァンパイア・レスタト〈上〉 (扶桑社ミステリー)


nterview with The Vampire から数年経って出版されたヴァンパイア・クロニクルズの第2作。昨日は1作目の紹介をあまり書かなかったので、今日はおさらい。第1作目はレスタト様(様づけ)によってヴァンパイアにされたニューオーリンズの農園主、ルイがその経緯を語るという内容だった。ルイがついつい幼女クラウディアを手にかけてしまい(幼いものはヴァンパイアにしちゃいかん、という掟がある)、その後レスタトと成長できない幼女(身体は5歳で精神は60歳ってのはねぇ)ヴァンパイアの葛藤となり、結局、クラウディアはレスタト様を殺して沼に沈めちゃうのである。そしてルイとクラウディアはパリに渡って、大陸のヴァンパイアに遭いに行くのだ。パリのヴァンパイア劇場でヴァンパイアをやっているアルマンと、アルマンが長を勤めるカヴン(ヴァンパイアの集団)と色々あるのだが、パリでアルマンに惹かれるルイのかたわら、母親代わりが欲しくなり、ある女性をヴァンパイアにする。ところが、ヴァンパイアには「親殺ししたら死」という掟があり、要は親であるレスタト様を殺したので、クラウディアはカヴンのヴァンパイア達の謀(はかりごと)で、殺されてしまう(映画では日光に当たって灰になるシーンが悲しいです)。
レスタト様はニューオリンズでしっかり生きていて・・・。映画では毛が抜けて(うくく)ぼろぼろになったトムの演技が凄すぎます(最初の美しさとの対比が全く素晴らしい)
映画ではインタビュアー(後のダニエル)役はクリスチャン・スレイターで、最後に甦ったレスタト様に襲われてしまうのだが、この時、サンフランシスコの夜景に合わせて流れるのが、Gunsの(ストーンズのカヴァーですが)「悪魔を憐れむ歌」が良いです。

というわけで、やっと第一作の説明が終わった・・。で、第二作の「ヴァンパイア・レスタト」。ここから出版社が朝日ソノラマから扶桑社に変わり、訳者が柿沼瑛子さんになり、レスタト様も「オレ様」から「私」になるのだ。内容と言えば、レスタト様がいかにしてヴァンパイア・レスタトになったのか。その歴史と変遷が書かれています。フランスの田舎貴族(結構ワイルドな暮らしをしていたようで。狩りとか)が、パリに幼なじみと出てきて、マグナスという老ヴァンパイアに捕まって「子供」にされてしまうんですな。で、何でヴァンパイアは派生したのか?何で存在するのか?という大きな命題が投げかけられるわけですが、そこでレスタト様が出会うのがマリウス(マリウスは重要な役割を占めます。ネタバレですが、アルマンをヴァンパイアにしたのはマリウスなのだ)。マリウスは地下のエジプト風の神殿で王と女王の像を守ってます。しかし、なんやかんやしているうちに、レスタト様はロックバンドを組んで大スターになってしまうのでした。その名も「ヴァンパイア・レスタト」。ヴァンパイアは本来自分の身分を明かしたり、自分がいかにしてヴァンパイアになったかということを世に知らしめてはいけないという掟(また掟だよ)があり、「ヴァンパイア・レスタト」は「ロックスター、ヴァンパイア・レスタト」が自分の伝記を記しているという入れ子構成にもなってるわけです。掟破りのレスタトに、マリウスはちと怒ったりします。クライマックスは「ヴァンパイア・レスタト」の野外コンサート。掟破りのおおっぴらなレスタト様を殺すため、アメリカ中、いや世界中からヴァンパイア達がコンサート会場に集まり、コンサート開幕・・・・。レスタト様の叫び声(ヴァンパイアの叫び声って凄いらしい)でエジプト風神殿で動かずにおとなしく眠っていた女王が目覚めてしまうのでした。

あ、忘れてましたがレスタト様の母上ガブリエルは病で瀕死だったのですが、死の間際に息子にヴァンパイアにされてしまうのでした。実の息子がヴァンパイア親!すごい関係です。彼女は田舎貴族のカミさんで鬱積していたのかどうか知りませんが、ヴァンパイアになってからは探検家まがいで一人で世界中を放浪するのです。

また超常現象研究集団「タラマスカ」が出てくるのも確か本作です。