操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

講習記録@手関節(手首前腕の外旋)

臨床講座は毎週土曜5時間を9ヶ月というなかなかハードな講座だ。第二第四の講習に比べると人数も少ない。実際参加している方々を歴代でみると、臨床家が多い。多くは鍼灸師であったり、柔道整復師であったり、手技療法をやっていたり、あるいは私の講習を受けた後、もっと深く勉強したいというメンバーも結構いる。



今回は第9回。



連動についての説明が一段落し、いよいよ介助法に入る。最初は手関節の外旋からだ。手関節の外旋は用いることが多い。立位、椅座位、正座位、仰臥位、伏臥位、横臥位など、様々なポジションで試せるが、まずは立位から行う。



前々回の東京操体フォーラム参加者からのアンケートで、「立位で操体ができるとは思いませんでした」というコメントを読んだ。そういえば普通は仰向けに寝ているか、うつ伏せに寝ているか位しかポジションを思いつかない。



また、鍼灸師や柔道整復師、あるいはPTの方から、「何故肩関節の外旋、内旋ではないのか?」という質問を受けることがあるが、操体で言う連動は基本的に末端関節から動きを取らせる(敢えて逆を行う場合もあるが)。



肩関節の外旋だとしたら、まず肩関節から動き、それから肘、手首前腕に動きが及ぶ。しかし、この場合の連動は『末端関節が動けば体の中心腰が動く、腰が動くと全身形態が動く』ので、肩関節から動かすわけではない。



なので、手関節(あるいは手首前腕)と言っているのだ。





構え方、介助の方法だが、私が最初に習った時代に比べると、あきらかに進化している。少しずつだが、改良改善が加えられ、より「身体運動の法則」に即した操者の介助になっている。



例えば、立位で被験者の右手を外旋させる場合、操者は正面に立ち、左手でもって介助を与える。この場合、外旋させるのだから、あらかじめ内旋位に「決めて」おくのである。うまく「決まる」と、それだけでも気持ちよさを聞き分けることができる。

なお、被験者のからだは左側屈に「決まっている」が、操者の体は被験者のように腰がねじれず、骨盤は正面を向き、膝は軽く曲がって重心が下がる。

→ここら辺は結構難しい。

→受講生のN君と『日本舞踊でもならうかね』と言ってみたりする。



この時のポジションも操者の使う手や利き手によって微妙に違ってくる。介助もメインの介助(この場合、操者の左手で被験者の右手に与える介助)の他に、補助介助(この場合、被験者の上肢、手首前腕が外旋してくるに従って、肘が腹部正中に向かって、全身形態は右に側屈してくる。その場合に下がってくる肩に対して補助的な介助を与える)も組み合わせて行ってみる。

この時、被験者の動きについて操者は被験者に接近するが、そのタイミングを読むのがミソだ。



もっと難しいのは両手合掌の左右回旋への介助補助だ。勿論、普通にはできるが、細かい点(ポジションやタイミングやその他色々)を総合して丁寧にやると、ものすごく神経を使う。