操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

介助法

講習記録



土曜。復習ということで立位で手関節の橈屈、尺屈への操者の介入の方法。橈屈・尺屈というのは実に面白い。



何故かというと、ポジションによって連動性が変わってくるのだ。



基本は立位で手は前方水平にとる。自然な連動からいうと、右手関節を橈屈しても、尺屈しても全身は左捻転の連動性を示す。



これが、被験者が正座位で手を天井に向けて挙上し、操者が立位で後ろから介助を与え橈屈、尺屈を行うと、側屈の連動を示す。



勿論被験者にも重心の移動が起こるが、操者自身にも重心移動が起こる。



試してみて一番驚いたのは、橈屈(つまり、あらかじめ尺屈にきめておいてから橈屈にとらせる)の場合、立位と正座位では「操者の」重心移動が違うということだった。

(お試し下さい)被験者の重心移動は変わらないのだが・・・





私もこれには気がつかなかったが、実際やってみて体感して納得した。(更なる精進が必要だ)

「動きは生きているから、ひとつひとつ大切にすべき」という言葉を改めて感じた。



このような微妙な動きは、大まかにやっていては見過ごしてしまう。



次は、手関節の背屈・掌屈に対する介助法の復習と、伏臥と仰臥での足関節の背屈・底屈に対する介助を行った。



この日は足関節の介助法に一つ新しい発見があった。まだまだ色々な発見があるものだと思う。。



土曜の講習と日曜の講習は進み方が違う。土曜は毎週あるので、当然進み方は早い。





日曜は、伏臥の足関節内転。これは前回もやったのだが、復習である。私も比較的伏臥位でよく用いる動診の一つだ。この介助は慣れないとてこずる。が、慣れれば問題ない。自転車に一度乗れるとそれから乗れるようになるように。



これも一度その感触を会得体得すれば大丈夫なのだが、かけ方をあやまると尺骨か尺骨骨頭が足に拇指の付け根にあたって痛い。

また、力をいれてやるのではなく、軽くやっても決まる時は決まる。



おそらく最初は皆、力でやろうとする。

それは仕方ない。



これを両手で練習した。

今回人数が足りなかったので、私も受講生の中に入ってやった。

いつも片手で介助をかけていたので、たまにやると新鮮だ。



(文字で読んだだけじゃ、わからないだろうな、と思いつつ)



次に片手でかける介助法の練習。今日は人数が奇数なので、受講生の中に入って受けたり介助をかけたりする。



この日、何か気づいたことがあれば、ということで、受講生にアドバイスする。



(1)最初のうち、模範実技はまず、見ること。見ながら一緒に手を動かしたい気持ちはわかるが、まずは見ること。



一緒にやってみるほうが熱心そうに見えるが、そうではない。



これは操体だけでなく、スキーをはじめあらゆる事に通じるのだと思う。スキーに長けた友人によると、上手くなる初心者は、まず上手い人が滑っているのを良く見ているか、教わっている時もちゃんと見ているらしい。



で、すごく上手い人と同時にやって(真似て)上達するのは、ある程度上手くなった人なのだそうだ。



見ていると、模範演技を見ながら手を動かしている場合、大抵きちんと真似できていない。これをこのままにしておくと最初から自己流で覚えてしまう。



一度自己流で癖になったものを矯正するのは難しい。



(2)動きを表現する際は

・最初は一つ一つ区切ってゆっくりやること

・早く表現しないこと



の2点を主に伝えた。特に(2)は重要。

?)片手を被験者の足底にかけ、?)操者の肘を落とし、?)決める、主にこの3つの動作から成り立っているわけだが、この卯順番を崩したり、一気にやろうとしてなかなか上手く決まらない場合を見ることがある。



勿論、慣れれば一気に流れるようにできるのだが、最初はステップ・バイ・ステップで段階段階の動きを確認しながら練習すべきなのだ。