- 作者: 白洲正子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
乳房とサルトル 関係者以外立ち読み禁止 (光文社知恵の森文庫)
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/12/06
- メディア: 文庫
- クリック: 17回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
鹿島センセイの本(特に文庫化されると)は、割とマメに買っている。以前の日記でも紹介しているが、
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/01
- メディア: 新書
- 購入: 8人 クリック: 240回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
- 作者: 鹿島茂,井上章一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
色々書いていらっしゃる。鹿島センセイは、大学の仏文で論文指導を長くされていた経験をモトに、
「勝つための論文の書き方」を著されているが、その昔、英文学科で卒論を書いた記憶があるので、今更『論文ってこうやって書くんだ?!』と、驚嘆しているのである。
鹿島センセイは『論文の書き方』を勉強するということは、生活を楽しく、豊かにするものであり、物書きだけでなく、どのような職業の人達にも当てはまると書いている。確かにその通りである。おおよそ、世の中の技術が発達し、便利になってきた裏には、人類の「これ、欲しい」と「何で?」というアクションがある。
この新刊には、「セーラー服」にも書かれていた、オッパイの大小と人口の増減の関係、そのタイトルも
「巨乳 VS 小乳」である。つまり、文化的背景によって、大きい方がいいのか、それとも小さい方が喜ばれるのか違ってくるのである。大地の豊穣を願う農耕文化では豊穣の象徴として、豊かなものがよしとされる。ローマ時代になると、その文化的都市生活の背景のせいなのか、小さい方が良しとされた。
その後ヨーロッパの歴史を見ると、興味深いことに黒死病が流行り、ヨーロッパ中に多数の死者が出た時は『大きい』時代であったが、このように人口が減った時はどうやら『大きい』ほうが支持されたそうである。また、その後フランス宮廷文化の時代になってくると、金持ち→育児をしないので「小」。貧乏人→乳母とかの職なので「大」というようになってきた。また、ヨーロッパで描かれた聖母子像をみても、その時代の流行がわかってくるらしい。
たいしたもんである。
一方日本はどうなっているかというと、最近の巨乳ブームは何故かという問いに行き着く。特徴として、ボディはスリムであるが、胸は大きいというのが特徴らしい。スリムであるということは、母性から遠ざかっているということなのだ。そうであれば、スリムで貧乳というブームには何故ならないのだろう。
それはさておいて、鹿島センセイは、日本の少子化に比例しているのではないかという意見で締めている。きわめて面白い意見だと思うし、なるほど、と思うではないか。
鹿島センセイの姿勢というのは「何故だ?」「何で?」という疑問から成っている。センセイは「セーラー服」の中で、何故日本のSMには『亀甲縛り』という独特のスタイルがあるのは何故か?何故西洋は鞭とか猿ぐつわなのか?という疑問を立てられた事がある。どうやら、西洋は「馬」から来ているらしい。例えば目隠しとか、猿ぐつわとか鞭とか、拘束具とか。対する日本は農耕民族であり、米を主食にしている。亀甲縛りというのは米俵から来ているのではないか?という推測である。
これはどうやら正しいらしい。というか、聞いてみればなるほど、と納得できるではないか。
先程の卒論の話に戻ろう。私の卒論は英文学だった。
先日、白洲正子の「両性具有の美」を読んでいたら、最初に、映画「オルランド!」を見た時の感想が書かれていた。実は私もこの映画を、大学時代の同級生二人と、日比谷の映画館に見に行った記憶があるのだった。これは、ヴァージニア・ウルフの「オーランドー」の映画化で、内容と言えば、エリザベス女王の小姓が、「いつまでもそのままでいるように」という命令によって、生きながらえるという話だが、男から女になるので、この「両性具有の美」という本に書かれているのだと思う。その他、私が卒論を書く前後に読んだ、バルザックの「セラフィタ」についても描かれていた。当時の心象として、バルザックなど『難しくてとんでもない』と思っていた。しかし、国書刊行会(出版社)から出ていた全集で読んだ時、結構すらすらと読めたのを覚えている(内容はうろ覚えである)。