今、私が関わっている操体法の講習は大きく分けて二つある。
自分(TEI-ZAN操体医科学研究所主催)の「操体法ベーシック講習」(3時間〜3時間半の、操体のダイジェスト講習)
操体法東京研究会(三浦先生主宰)の3講習。こちらにはサブ講師として参加。
・操体法指導者養成講座(1年間24回)
・操体臨床講座(9ヶ月36回)
・若い臨床家を育てる操体法講座(1年24回)
自分の講習は月一度だが、サブ講師としての参加は毎週土日である。6月から「若臨」もはじまり、ますます操体漬けといったところだが、ここ数年間最近とみに気づいたことを書いてみたいと思う。
これは何遍も書いていることだが
・初心者(初学者)は、どうしても講師の『手元』ばかり見がちである。先日もある講習で、師匠が受講生をモデルに使って実技を行った。居合わせた受講生達は、眼の星のように輝かせて、師匠の「手元」だけを見つめていた。手元だけでなく、その立ち居振る舞い、雰囲気まで見るようにしてほしいと思う。というか、パーツをみてモノにするにはまだ早いし、全体を見ないと勿体ないと思う。
・初心者(初学者)は、見よう見まねで真似しない。最初は見ること。師匠が模範実技で介助法や、連動を示すと、それを一緒にやる受講生がいる。一生懸命やっているように見えるが、実は見ていないので、結果として身になりにくい。
・逆に、「ことばの誘導」に関しては、指導を受けたら、シャドーイングが効果的だと思う。不思議だが、実技は見て覚え、言葉の誘導はシャドーイングのほうがいい。
しかし、大変面白いことに、『見よう見まね』をする初学者に限って、何故か言葉の誘導は『自己流』、つまりシャドーイングをしないのである。なので結果として、実技は身になりにくいし、言葉の誘導はお門違いになったりする。
・慌てないほうがいい。操体はじっくり学ぶべきである。多くの受講生に聞いてみると、最初は『座学なんてとっとと済ませて、早く実技に入らないかなぁ』と思うらしい(無理はない)。手関節、足関節への介助の練習に至っては『なんでこんなことやってるのかなぁ』と、思い、『早く皮膚への操法やらないかなぁ』とか考えるのだ。(いや、最初は皆そうかも!)
そして『般若身経』。
いつも言うのだが、これほど奥が深いものはない。
これを「健康体操」として捉えるのか、からだの使い方、動かし方として捉えるのか。今までの経験から言うと『ラジオ体操みたいなものだと思っていた』という方が多かったように思う。
私自身の講習では『本を読んだから知ってます。だからいいから、操法を教えて下さい』という人もいた(汗)
『じゃあ、やってみてください』と、お願いしたところ、マトモにできた人の割合は少なかった(汗)
特に、側屈が出来ないケースが多く、側屈する側と反対の足に体重が乗るべきところが、同側に乗ってしまったり(かなりの確率で起こる)していた。
いよいよ来週から「臨床講座」では『般若身経』が始まる。
私は『般若身経』を
・スタンダードであり(基本)
・診断法(分析)であり
・治療法である
と捉えている。また、操者にとっては不可欠な『操体を行う上での作法』としても
大事だと思っている。
私も通ってきた道だ。
応援します。