操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体・動診・操法のポイント

操体ベーシック講習に関してこの数ヶ月気がついた事を書いてみたい。実は昨日もベーシック講習があったのだが、その前にも、その前の前にも同じことがあったので書いておきたい。続けて三ヶ月、同じようなテーマを持った方が受講にいらした。

全部で8名ほどいらっしゃるのだが、見事に同じだったのである。

受講された方は全て何らかの手技療法やリラクゼーションに従事あるいは学校に行かれた方。そして、全員がスクールで操体について少し習われているか、もしくはいずれかへ操体を受けに行ったことがあるそうだ。



そしてそこには共通点があった。



その共通点とは、操体入門者がよくひっかかる穴なのだ。

実際に操体の指導をされている方でも、その問題をクリアにしていない場合が多いのではないかと思う。



・二者択一の分析法で『どちらがきもちいいですか』と聞かれた

・どちらがきもちいいのか分からなかったので色々動いて気持ちいいところを探そうと試みた

・分からなかった



という3点セットなのである。

私は日頃から

『楽(な動き)ときもちよさの違いを明確にせよ』と言っているが『操体はわからない』という方に話を聞くと95%位の問題はここにあるといってもいい。




そこを勉強してクリアにすれば、全然悩む事はないのになぁ、と思ったりする。というか、私もそれがクリアになったので、助かったクチなのだが。



もう一度言おう。

『楽(な動き)と快適感覚』の明確な区別をつけるべきだ。



それに加えて、動診と操法の過程もだ。理論的に体系付けて学べば、何故明確な区別が必要なのか、何故被験者にきもちよさを味わっていただけないのかわかるはずなのだ。






理由1

二者択一の運動分析『どちらが楽ですか、辛いですか』ならば、被験者も答えやすいが、感覚を問うているのだから『どちらがきもちいいか』とは答えにくい。また、どちらも気持ちよかったらどうするのか?どうやって二者択一するのか?

(快適感覚で考えれば答えは簡単なのだが)



理由2

これも何度も書いているが『きもちよさを探して色々動く』のではない。ある動きを試してみて、快適感覚があるのか、ないのかという、感覚分析を行うのである。これでは動診・操法の工程にはあてはまらない。



無意識の逃避反応なら「痛くないほうに逃げる」で構わないが、意識的に動いてみてもわかりにくい。

運動能力に優れている人は動きの中に快適感覚を掴みやすい場合もあるが、一般の方はそうではない。

『きもちよさを探して色々動く』という指導をされている方の中には、武術や格闘技など身体運動能力に優れている方が多いのは事実である。



理由3

上記の理由によって、動いてみても快適感覚がわからない方の方が多い。クライアントはどこか調子を悪くして来ておられるのだから。