操体法大辞典

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ベジタリアン。

先日10年ぶりで高校、中学の同級生と会った。彼女は現在スコットランド在住なのだが、夏休みを利用して二人の子供と一緒に帰省している。彼女はスコットランドで3年間指圧を勉強しているのである。それはさておいて、講習が終わってから何名かと三茶でお茶をしていた時の話である。食べ物の話で結構盛り上がったのだが、ふと気がついたことがあった。それは、何故海外のセラピストはベジタリアンが多いのだろうということだ。その時一緒いたK君はインド帰りで、家ではベジタリアン、外に出たら環境に合わせて何でも食べることにしているらしい。ちなみに私をはじめ、東京操体フォーラムのメンバーは基本的に何でも食べる(笑)。

昨日は勉強会が終わってから用事があり、青山に行ってベルコモンズでコリアン・ランチをとった。私もご飯とみそ汁と何かあれば足りるほうだし、肉よりは魚(しらすあれば間に合う)のほうがいいが、焼き肉屋に行けばユッケも食べるしレバ刺しも食べる(たまにですけど)。

日本人は色々なものを食べるので、厳格な食事の規則を守るのは、普通の社会生活を営んでいたらなかなか難しいのである。

★ちなみに、上手くやっている人はやってます。それも周囲に迷惑かけずにスマートに。



また、これも聞いた話だが、母親が食べ物にナーバスになりすぎて、つまりオーガニックのものだけ食卓に出していたらしい。それはそれでいいのだが、子供が大きくなると、友達の家に行ってご飯をご馳走になることもある。そう言う時、子供は『これって有機野菜?』とか聞いたりしまったり。そういう状況になると、その子供は『○○ちゃんの家のご飯はオーガニックじゃないから食べられない』、逆に『△△ちゃんが遊びに来るとご飯も出せない』と、友達のお母さんも思うに違いない。

これって結構大きな問題だし、子供の交友関係にも亀裂が入ったりしかねないのではないか。

子供じゃないが、私も誰かが遊びに来て食事でも作って出したら「これはオーガニックか」「オーガニックじゃないと食べない」と言われたりしたら、二度と呼ぶ気はしないかもしれない。



ところで、何故海外のセラピストはベジタリアンが多いのだろう。

私がふと思ったのは、やはり西洋系の、あちら系の方々はDNAの中に「肉食」を持っているのではないかと。つまり、東洋系のセラピー、例えば鍼灸や指圧などをやる場合、もう最初から、日本人や中国、韓国の人は有利なのではないかということだ。何が有利なのかというと、私達は別に肉断ちや魚断ちをしなくても東洋系セラピーをするにあたってはスタート地点がゼロだということ。



逆に西洋系は、ベジタリアン生活を送って、はじめてゼロスタート地点に立つのでは、という考えである。インドでベジタリアンが多いのはもう少し考えてみたい。また、日本でお肉を食べるようになってから、まだ日が浅い。現代の日本人は、先祖が素食を続けてくれたお陰で、まだ「なんにもしなくても」ゼロからスタートできるのではないか?



これを逆に考えると、ダンスとかスポーツとか、どう考えても体のツクリ的に、西洋派のほうがスタート地点が優位なこともある。そうやって考えると、橋本敬三先生は操体のことを「日本医学だ」と言われていたっけ。



そういえば、修行中の坊さんは、大蒜(にんにく)とかニラとか、匂いの強い野菜は食べない。私もその昔外気功の鍛錬をしたことがあるが、その時にそう言われた。その時の先生曰く、修行中の坊さんが大蒜やニラを食べると精がついて、悶々とするから修行中は禁止したのだ、とのことだった。



なるほど。