操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体医科学研究所書庫@初秋。

流離 吉原裏同心 (光文社文庫)

流離 吉原裏同心 (光文社文庫)

ある知り合いに「時代小説が好きだ」と言ったところ、貸して下さるので移動中などに読んでいる。最近借りているのがこのシリーズ。「吉原裏同心」。
幼なじみの三歳年上の女性が借金のカタに金貸し侍のところにヨメに行かされたのだが、当時18歳の主人公がその姉さんと駆け落ち。10年近く「妻仇打ち」に追われ、流れ流れて江戸吉原の裏同心として大活躍、という話である。

何冊もシリーズになっているが、読み出すとキリがない(笑)
大抵時代小説というのは、主人公が強い。なので安心して読める。また女性の書き方が典型的である。まあ、男性作家が描く女性像というのは、典型的というか、大体オトコに都合がよく描かれている。つまりは善女か悪女である。そもそも男性が描く女性というのは、童女かオンナか母ちゃんだ(童女か娼婦か聖母?)。登場する女性陣(特に主人公の年上女房)が、立派すぎる(笑)。

というわけで、同じ吉原モノでこれはどうだ。

花宵道中 (新潮文庫)

花宵道中 (新潮文庫)

こちらは第5回R-18文学賞受賞作。「さくらん」とも少し毛色が違うが、いくつかの小編の主人公が入れ替わる形で連なっていく。オトコから見た吉原と、身売りする女郎の目から見た吉原の違い。今までの吉原モノとは少し違う。

さくらん (イブニングKCDX (1829))

さくらん (イブニングKCDX (1829))

「さくらん」は最初にきよ葉(主人公。のちの日暮花魁)が「きせるって便利だぜ」「寝転んで煙草吸っても灰が落ちねぇ」という出だしがいい。その後禿をぶん殴って泣かせるとか、最初の5ページで「勝ち」である。

少し変わって、

フォーラムやイベントでアンケートをとることがあるが、アンケートというのはなかなか手強い。意見として「参加者の声を聞きたいから、アンケートを取りましょう」というアイディアはよく出るのだが、それをどうやって活かすか。それが問題だ。これはA4一枚のアンケートを如何に活かすかということだ。

対論集 発火点

対論集 発火点

桐野夏生氏の対談集。対談相手が選りすぐりだ。