操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体を選んだ動機。意外とアバウト。

内田樹の研究室」(ブログ)をたまにのぞくのだが、何だか面白いことが書いてあった。内田先生は入試部長である。

大学入試と合気道を重ねているのだが、「どうしてこの学校を選んだのか、その理由がうまく言えない」ということが学びにおいては結構重要なんだそうである。それは合気道でも同じらしく



『入門の理由を妙になめらかに説明する人間がいる。あれこれの武道や身体技法を遍歴し、さまざまな武道書などを読み漁り、「やはり合気道しかないと思いまして」と言って訳知り顔で来た入門者は、経験的に言って、まず長続きしない。入門動機をぺらぺらと言い立てたあげくに一回来ただけで止めてしまった人間を何度も見た。それよりは、合気道って何だか知らないけれど、「友だちについてきて、つい勢いで」というような「あくび指南」的動機で入門した人の方がたいてい長続きする。』



なるほどである。操体の勉強をする場合、時間もかかるし勿論安くないお金もかかる。「なんとなく行ってみようかな」という動機で勉強するというわけには行かないが、『入門の理由を妙になめらかに説明する』というのは何となくよく分かる。また、あれこれ迷って色々なところに行って受講料や期間を比較検討し、悩みに悩んだ場合、結局勉強しないケースも見ている。それよりも『何だかわからないけど、この先生のところで勉強しよう』というチョイスが生きる場合もある。



例えば師匠、三浦寛先生は別に操体を勉強したくて橋本先生のところに弟子入りしたわけでない。まあ、当時は『操体』という名前も無かったのだが。お爺様が柔道をやっていた関係で仙台の赤門(柔道整復と鍼灸の学校)柔整科に入学した。何故か鍼灸科で講師をしていた橋本先生がカッコ良かったので、柔整科の学生だけど先生の講義を聴いていいか?とアタック?し、それがご縁で内弟子に入ったのである。



私にせよ、『操体法治療室』(師匠と今先生共著)を初めて読んだ時に(勿論、受けたこともない時である)『これを勉強しよう。いつかこの先生に習おう』とあっさり決めた。理由はない(笑)。ミーハーな読者と言えばそれまでなのだが、結局はそれが始まりだったのである。最初に操体を習ったのは師匠の受講生の受講生の先生だったが、結果的には「この先生」に弟子入りしたわけである。



そういえば、ISIS編集学校に入ったのも、偶然だった。入っているプロバイダが「編集工学研究所ツアー」なるものをやるということで、何故か応募したら当たってしまった。

それで赤坂の編集工学研究所まで出かけていったわけだが、私は最初「松岡正剛」って誰だ?っていう感じだったのである。説明してくれている方は『松岡正剛』というヒトが誰だか分かっている、という前提で話をしたのだと思うが、私は『へえ、誰だその人』程度だったというわけだ(笑)

しかし『編集学校って、面白そうだなぁ』というだけで始めてしまい、そのご縁は未だに続いていたりする。なので、松岡正剛氏の熱狂的ファンだから始めたというわけでもない。この辺はかなりアバウトである。



でもそれがいいのかもしれない。