操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

十七回忌。『臨床家による操体セミナー』の日。

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12月13日は第2日曜。第2日曜の午前中は『東京操体フォーラム実行委員』による勉強会がある。しかしその前の週末は東京を離れていたのと、義弟の休みが合わないのとで、12月13日の午前中に父の十七回忌をすることになった。

私はあらかじめ礼服を持って早朝三軒茶屋に向かい、朝8時からの勉強会に一時間出席した(一時間といえど、なかなか内容の濃い時間だった)余裕で西葛西に戻るが、ついついうっかり快速に乗ってしまい(あわてているとか、気を抜いてるとやる)、浦安まで行ってしまった(笑)。西葛西まで戻り、タクシーでM寺に向かう。

M寺というのは370年位の歴史を持っている結構古いお寺である。宗派は日蓮宗だ。

私の両親は二人とも気仙沼の出身で、お寺は曹洞宗である。最近の東京のお寺は『宗派問わず』が多くなっているようで、妙蓮寺もその一つである。境内の墓地には、キリスト教の方のお墓もあるとか?勿論、法要は日蓮宗スタイルでやるのだが、なかなか面白いものである。確かにうちの父のように、故郷から上京してきて(三男坊)、家庭を持ち、家を建て、そこで一生を終え、ご縁あって近所のお寺に入るケース、東京では増えてくるに違いない。

それはさておき、M寺は数年前に先代住職が若くしてお亡くなりになった。私もよく存じあげていた。というのは、ご夫婦からして私のクライアントだったからである。その後を継いでいるのが若住職で(ちなみに彼も私のクライアントである)、うちの父は先々代の住職の世話になったので、三代にわたって知っているわけだ。



ところで、禅宗日蓮宗の二つの法要を見ていて一番違うと思うのは、『楽器』の使い方である。私が知る限りでは、禅宗は木魚だが、日蓮宗は木魚ではない。何だか鐘のようなものを鳴らすのだ。僧侶がお経を読みながら鳴り物を操る姿を見て、ドラマーを想像するのは私だけだろうか(笑)

また、禅宗のお経はいわゆる「ダミ声」っぽいと思う。日蓮宗はそれほどダミ声ではない。



ちなみに、父親の四十九日の法要だったと思うが、読経をきいているうちに、何故だか突然おかしくなってきて笑いが止まらなくなったことがある。私が笑いをこらえていると、母も妹も笑いをこらえているのだった。何だか不謹慎な感じもしたのだがどうにも笑いが止まらないのである。

お経の間に「木柾(もくしょう)」というのだと思うが、これでリズムをとり、「鐘」みたいなものを絶妙なタイミングで鳴らすのである。私が可笑しくて仕方無かったのは、先々代の住職の読経だったが、鐘を鳴らすタイミングがまるでドラミングが半拍ずれるように絶妙なことだった。不思議なことに、私がお経を聞いて笑いをあんなに堪えたのは父の四十九日の法要だけだったような気がする。あとで考えるに、四十九日の間、笑うこともなく服喪していたのだから、そろそろからだが『笑い』を欲していたのかもしれない。また、笑ってはいけないとか、そんなつもりはなかったのだが、多分笑っていなかったのだろう。



そういえば、渦状波(皮膚へのアプローチ)をしている場合、特に「点の渦状波」の場合、クライアントが笑い出したりすることがある。まあ、笑い出す他にも、涙が出たり、無意識のうちにからだが動いたり、色が見えたり、からだは様々な反応をつけてくる。この反応は「からだが欲している反応」なのだと思う。私の経験では、心に何か抱いている場合、つまり『バカ笑いでもしてすっきりしたほうがいいような時』に笑いという反応が起こりやすい気がする。からだは強制的に笑わせて、治しをつけてくるのだろう。これは免疫力と笑いの関係を考えても納得が行く。



さて、「笑い」は免疫力をアップさせる。ということは、泣くことはよくないことなのか。これはそうでもない。

カタルシス(哲学、詩学で「浄化」)心理学用語で代替行為によって満足すること)である。昔から女性がメロドラマを見て泣くとか、ちょっと古い話だが、山口百恵がドラマ「赤い」シリーズで不幸になればなるほど視聴率が上がったそうだが、芝居などを見てそれに感情移入して泣いてすっきりするという作用もある。また、数年に一度は『泣ける映画』が出てくるわけで、『泣けるモノ』はある程度安定した需要があるということだろう。

歌舞伎や文楽でも「人情モノ」とか「心中モノ」とか、「泣かせる」のがある。



さて、十七回忌の法要だが、今回は私と母と妹夫婦と子供のごく少人数で行った。姪二人はまだ小さく、確か小学校一年生と幼稚園だと思う。若住職が木柾を叩いているリズムに合わせて楽しそうにからだを揺らしていた。この時、木柾も鐘も彼女たちにとってはリズムマシーンなのだろう。



こうやって考えると、やはり『銅鑼』→ドラム? 木魚と鐘→ドラム?という進化なのかと考えてしまう。

ちなみに私はエレキベースとかドラムとか、ハラに響くのが結構好きだ。

何だか十七回忌とは話がずれてしまったが(笑)ちなみに、ドラマーで好きなのはモトリー・クルーのトミー・リーである。何故かというと、ドラミングの間にスティックを一回転させて、半拍ずらすわけで、それは長い腕のお陰なのだが、めちゃくちゃ格好いいわけですよ。あと、華麗と言えばQueen のロジャー・テイラーも何と言うか「半拍ずれ」の感じがあっていいと思う。「半拍ずれ」を意図的にやって、気持ち悪いんだけど何故か惹かれてしまうのが、元ポリスのスチュアート・コープランド。何だか話がマニアックになってきたのでやめておこう(笑)



その後、1時から行徳のゴールドジムで『操体法セミナー』があったので、礼服を母に預けて行徳に向かった。この日は「勉強会」「法事」「セミナー」「忘年会」と、何だか盛りだくさんの一日だった。