操体には「動診(診断・分析)」と「操法(治療)」の二つのステップが存在する。操体臨床は「快適感覚をからだにききわけて(動診)、味わう(治療)」である。動診だけでも、操法だけでも臨床は成り立たない。きもちいいほうに動くのではなく、ある動きをゆっくり試し、その中に快適感覚がききわけられるのか、よくからだにききわけるのである。また「きもちよく動く」のは、快適感覚がききわけられれから、つまり「操法(治療)」に入ってからのことであって、最初から「きもちよく動く」と言われても被験者は動けない。そこで、仕方無いので色々動いてみて、きもちよさを探そうとトライするのである。操体でないもの、例えばストレッチとか、その手のものだったら「はい、きもちよく動いて」と言ってもいいと思うが、操体だったら、最初に『診断・分析』が必要だ。なので「きもちいいほうに動く」「きもちよく動く」前に、「その動きにきもちのよさがききわけられるのか、からだにききわける」のである。