操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体と師匠。

先日、ある人に「誰に操体習ったの?」と聞いたら「○○先生です」と言われた。10年くらい前に私がちょっとだけ教えた人だった。どうやら、私が昔使っていたテキストを改編してつかっているらしい(こういうひとは五人目位である)。
「あ、その人、10年前位の私の受講生ですよ」と言ったらびっくりされた。こんなこともあるものだ。

前にも書いたかもしれないが、私の講習料より受講料が高かったりする場合もある(笑)。そういう方は、まず「操体を誰に(畠山)に習った」とは書いていない。世の中、そんなものなのだ。往々にして私のほうが年下だったりするからだ。

また、最近問い合わせがあるので、これについても書いておく。

当方は「○○操体癒養院」というところとは、無関係である。

無関係とはいっても、こちらの先生は昔TEI-ZANで副院長をされていた。元々は私が最初に操体を習った小林完治先生の操体の講習に私が講習料を払うから、一緒にどうかと誘ったのだ。

その後操体への興味を持たれ、武術や持論を融合されたりした。私自身は彼の持論に賛同できなかった。
更なる自分のブラッシュアップと、操体を習うのだったら、やはり三浦先生のところで勉強し直そうようと思ったが、猛反対された。私は三浦先生に師事するため、彼とは縁を切った。

正確に言えば、離婚届けを書いて「畠山に戻ります」と言ったのである。

その後、ご自身で独自の操体を作られ、活動されているが、「きもちよさを探す」と「きもちよく動いて」という指導をされているようで、私は至極迷惑している。何故迷惑しているかというと、そのように指導されて「動けなくて」困った方がうちに来るからである。これは本当に迷惑で、クライアントに対しても操体に対しても迷惑だ。「きもちよく動けって言われたけど、よくわかんない」という話になる。

あちらの操体は、三浦先生の受講生である故滝津弥一郎氏の講習の受講生だった小林完治先生に習ったものに、武術とか色々なエッセンスを混ぜたり、三浦先生の「皮膚へのアプローチ」をモデルにしたようなことをされているようである。サイトをみた限りでは、皮膚へのアプローチというよりは、押したり引っ張ったり捻ったり、整膚のようだ。三浦先生の見解とは全く違う。

更に橋本敬三先生は「身体運動の法則」と言われているが、あちらは「身体運用」と、言葉を変えて使っている。

三浦先生の講習を受けたこともないのに、講習を批判しているとか、そんな話も聞いたことがある。
多分私などは極悪非道の悪女とか(笑)と言われているのだろうかと思う。多分そうに違いない(笑)。

いや、本当だから仕方ない(爆)

彼に操体を教えてしまったのは、私の失敗であり、悔やむべきところである。彼一人だったらともかく、彼は受講生も育てているから、増殖してしまう。私の責任でもある。これはどうにかしなければならない。

若い男性などは「武術と操体」という言葉につられて入門し、巧みな言葉に操られ、操体法東京研究会の悪口を吹き込まれていると聞いた(そうじゃないといいと思っているのだが)。

★こちらの団体は、私が創案して使っていた「操体ラクティショナー」という名称を使っていたが、今年夏、一般社団法人日本操体指導者協会の設立と共に、商標登録の発表をしたところ、一斉に「操体ラクティショナー」の使用をやめたようである。これはこれで早急の対応はありがたいと思っている。

いずれにせよ、○○操体癒養院系列と、私のところは一切ご縁はない。

たまに、「違う流派ですか」と聞かれることがあるが、操体に流派があるのではない。

日本国内外で操体を指導している先生方(仙台の今先生、奈良の北村先生、埼玉の根本先生、今年亡くなられたが千葉の滝津氏、早稲田の石井先生、快医学の瓜生氏、長野操体の会の白沢先生、バンクーバーの小崎先生、スペインの小野田先生)は、三浦先生の操体法東京研究会で学ばれている。出所は同じなのである。

自分が操体法東京研究会の出身で、三浦寛先生に師事しているから言うわけではないが、やはり操体を学び、操体のプロになりたいのだったら、操体法東京研究会の講習をお勧めする。

ところで、11月20日、21日、千駄ヶ谷津田ホールで「2010年秋季東京操体フォーラム」が開催される。
http://sotai.org/2010nov/

先日、秋のフォーラムで特別講義をして下さる島田道男先生(太気拳)にもお会いしてきたが、澤井先生のお弟子であることに本当に誇りをもたれているようだった。師匠を敬愛する気持ちが伝わってきて、私は感動した。

操体法東京研究会で学び、三浦先生を師匠と仰ぐことは、橋本敬三先生の直系の孫弟子になる、ということだ。
これが操体を学ぶ上でどんなに励みになるものか。また、操体法東京研究会では、橋本先生がご存命の頃、顧問をなさっていた。そういうご縁や学びの喜びもあるのだ。
また、橋本哲学(第七の天、太極、救いと報いなど)を、橋本先生の考えに基づいて学べるのもこちらである。

しかし、操体法東京研究会の講習を受けてもいないのに、批判したりケチをつけたりするのはフェアではない。私は先方を知っているので、どんなことをやっているのか大体見当はつく。

何だか後味が悪かったら申し訳ないが、ちょっと書いてみた。

操体を学ぶのだったら、ホンモノを学んで欲しいのだ。
様々な情報が溢れているが、その中から何がホンモノで、輝くもので、これからの貴方の人生に光を与えるのか。

まあ、これを見抜くのも運のうちなんだけどね。