亡くなった人は「ホトケサマ」になったり神様になったりするが、橋本敬三先生を教祖様とかエラい神様にしちゃいけないと思う。
10年位前、全国操体バランス運動研究会の懇親会の席で、タバコを吸っていた人に、ある地方の代表の方が、顔を真っ赤にしてタバコの害を説きはじめた。
吸っていた人は
「橋本先生も吸ってらっしゃったでしょう」と言った。
怒った人は
「橋本先生は本当はタバコを吸われないんだけど、世の中には吸う人もいる、その方々の為を思ってタバコをふかしていただけで、吸ってはいなかった」
と言った。
私は横で聞いていて笑ってしまった。
葉巻かよ(笑)
こういう人は後々話を歪曲して「橋本先生は葉巻を吸っていたから、煙は吸ってない」とか言ったりするのかもしれない。
タバコの害を説きながら、なおかつタバコを吸っている橋本敬三先生を讃えるには、こんな辻褄の合わないことを言わなければならないのだ。
私は喫煙がどうのこうの言っているわけではない。
実際、DVD「橋本敬三の世界」ではくわえタバコで患者に操体治療をする橋本先生の映像が映っているし、タバコを持って写っている素敵な写真もある。
まあ、世の中にはタバコ嫌いで操体好きの人は多いと思うが、「あの頃の男性はみんなタバコ吸ってたからね〜」で済ませられないのだろうか。そうやって済ませる人の方が余程さっぱりしている。
何故「橋本先生は本当はタバコを吸われないんだけど、世の中には吸う人もいる、その方々の為を思ってタバコをふかしていただけで、吸ってはいなかった」なんてアホな事を言うんだろう。
多分、ご自身が現在タバコの害を説いていて、喫煙者をボロクソに言っているので、橋本先生がタバコを吸っていたという事実を認めたくないのである。
師匠によると、橋本先生は缶ピースを吸っておられたそうだ。また、90歳の時転倒して大腿部骨頭を骨折し、それから寝たきりになった。その時転倒したのは、落ちたタバコを拾おうとしたからだ。
「本当はタバコを吸われないんだけど、世の中には吸う人もいる、その方々の為を思ってタバコをふかしていただけで、吸ってはいなかった」
そういう方が、90歳でタバコを吸っているだろうか。
ということを思い出した。