操体法大辞典

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セクシィ古文

セクシィ古文 (メディアファクトリー新書)

セクシィ古文 (メディアファクトリー新書)


高校生の頃、国語はほぼ満点に近い成績を取っていた私であるが、数学と古文が全く駄目だったので、うまい具合にならされていたような気がする。その頃から、近年の「歴女」なんて「へっ」という日本史マニアだったのに、何故古文が嫌いだったのだろう。思えば「レ点」とか文法が生理的にいやだったのだろうか。

古文嫌いの高校生も、これを読んだら古文・古典に俄然興味を持つに違いない。古典には日本人の性に対するおおらかさが満載なのである。高校の古典の指導要領には、勿論そんなことは書いていないだろうけど。
著者は田中貴子先生。大学の教授である。高校生には「古典はエロの宝庫」という指導はできないだろうが、大学生になれば「古典は結構セクシィである」という指導ができるのだろう。また、もう一人の著者、田中圭一氏はパロディ漫画家であり、手塚プロ公認で、手塚治虫画伯の「グリンゴ」続編を発表している。そうなのだ、中に掲載されている漫画は、手塚調なのである。少なからず手塚調の画風を知っている私は「あはは」と思わず笑ってしまった。
さすがパロディを得意とするだけあって、ツボにはまるのだ。

古事記の「国産み」は「日本で最初のセックス」を描いたものだ。皆さんご存じだと思う。ところで、日本ではじめてだったので、どうやってやるかわからず、セキレイ(鳥)のつがいが交尾しているのをみて、やり方(爆)を知った。セキレイから想像するに、どうやら最初の国産みは後背位と推測されるらしい。

その他、イチモツ自慢の男の話とか、「伊勢の女は具合がいいらしいから一度試したい」とわがままを言う男とか、聖者ぶって(実はナニをお尻の間に挟んで隠しており「自分は聖者なので、チ○○ンはない」言っている)詐欺をはたらいていたが、男児股間をなでられ、バレてしまう間抜けな男の話とか、源氏物語では、光源氏がついつい可愛い男の子に手を出していたとかなかなか面白い。
特に面白いのは、男性のひとりエッチについての文献である。畑でむらむらして、蕪(多分聖護院カブみたいな大きなカブ)でしちゃう男や、「一生女性とは交わりません」という誓いができない僧侶に「どうしたのだ」と、皆が聞くと、「手コキはいいですか??」と真面目に答えて座がしらけた真面目な坊さんの話とか、とにかくアホらしくも面白い。生命力溢れる(笑っちゃうけど)日本人の姿が見えてくるようである。

これを読んで「古典を勉強したい!」と思う高校生、中学生が増えることを祈る。
黒船以降何だか西洋の貞操観念とか、明治の知識人が敢えてそういう概念を日本人にすり込んだのだと思うが、
日本人って、もともとは明るい下ネタ好き民族なんだな〜、と思う。