- 作者: ウォルター・アイザックソン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: ハードカバー
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- 作者: ウォルター・アイザックソン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 講談社
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- メディア: ハードカバー
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ネットでジョブズの逝去を知った時「いつか来るとは思っていたけれど、まさかこんなに早く来るとは思わなかった」と、コアなAppleマニアなら思ったのではないだろうか。私もその1人だった。
膵臓がんから甦り、Appleを甦らせた男がCEOを退いた時「大丈夫かな」という思いが脳裏をかすめたのは事実である。
彼が亡くなってから、テレビでは"Stay hungry, stay foolish."という言葉が紹介され、ジョブズのスタンフォード大学の卒業式でのスピーチの動画が紹介された(YoutubeでもiTunes Universityでも見ることができる)。この動画を全部通しで見たことがある人は、あることに気がついていると思う。このスピーチは「3」という言葉がポイントだ。最初にジョブズは「3つの事柄」を話す。彼のプレゼンは「3つ」の要素で構成されているのだ。そして、一番最後に、先の"Stay hungry..."を3回くり返して終わる。私はこの3回くり返すところが好きだ。3回くり返すところはテレビでは余りオンエアされていないようだが、これは3回くり返すところに意味があるように思える。特に最後の"Stay..."の力強さは心を打つものがある。
このフレーズだが、実はジョブズのオリジナルではないことがこの本に書かれていた。60年代にアメリカで発行されていた、元祖エコ雑誌のような「ホールアースカタログ」という雑誌の最終号の裏表紙に書かれていた言葉なのだそうだ。
テレビでは「ハングリーであれ、愚か者であれ」と訳されていたが、この本では「ハングリーであれ、分別臭くなるな」という訳になっていた。こちらの方が私は何となく好きだ。ジョブズは分別臭くないからだろう。
ジョブズは19歳の頃、インドを放浪している。また、結婚式を禅宗の僧侶に行って貰うほど禅に興味を持っていた。永平寺に行こうと思ったこともあるらしい。ジョブズがインドやネパールを旅行していた時、英語版の「あるヨギの自叙伝」を読みふけり、ずっと果食主義だったということが書かれていた。
- 作者: パラマハンサ・ヨガナンダ
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ジョブズは真面目に、果食をしていれば、へんな粘液(?)が出るのを防ぐとか、からだが汚れないとか臭わないと真面目に信じていたらしい(勿論そんなことはないと思う)。
ちなみにこの「あるヨギの自叙伝」を私は師匠(三浦寛先生)のところで見た。先生から「果食」の話も聞いていた。実際、師匠は「果食」なのである。結構この本は読み込まれているようだった。
そして、ジョブスと師匠が同じ本を読んでいたということを少し面白いと思った。
師匠にその話をすると
「もう少し長生きして欲しかったな」という言葉が返ってきた。
実は後半(黒表紙)を始めに読んでいたのだが、ジョブズがAppleに戻る辺りはページをめくる手が止まらなかった。というのは、私もその時を覚えているからだ。
スティーブ・ジョブズだったら、こうするね ?カリスマリーダーの問題解決力?
- 作者: 桑原晃弥
- 出版社/メーカー: あさ出版
- 発売日: 2011/08/08
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これはビジネス書だが、タイトル通り「ジョブズだったらどう対応するか」という実例が挙げられている。どこかの週刊誌に「ジョブズは実は変人だった」と書いてあったが、変人で当然なのだ。むしろ「変人」だからなしえたことではなかろうか。敵も多かっただろうし、実際「その人が天才かマヌケか一瞬にして見抜く」天才だったそうで、冷徹に首切りもしている。
Appleに正式に戻ってきた時、マイクロソフトにApple建て直しのために援助を求めるということがMac Expoで発表された。その時会場からはブーイングがあがったらしいが、そんなこともするし、チップをIntelに変えるとか、大胆な改革もやってきている。
まあ、すごい人だ。
そして、パソコンという「オタッキー」な世界に性能ではなく「スタイル」を持ち込み、フォントを導入したのもジョブズの功績である。
偉大なる『分別くさくない男』の本をじっくり読むのもいいではないか。