操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本

DVD付 講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本

DVD付 講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本


著者の大谷さんという人は、吉本で横山やすし氏のマネージャーをしていた方である。彼女の本は何冊か読んでいるが、漫才に必ず台本があるように、アドリブにみえても本当は綿密な練習があったりする。というわけで、講師が講義をする際にも、台本があったほうがいいですよ、という主旨である。大谷さんは「コーチング」とか「心が元気な人を作りたい」というテーマで、講義する対象も様々だ。

先日、秋のフォーラムでマドリッドでのフォーラムの報告をレポートしたが、ICレコーダで録音した、自分の講義をテキストに落とすという作業をやってみた。
これは講義あるいは人前で話すというチャンスがある方には絶対やっていただきたいと思うのだが、自分のヘタさ加減に、ウンザリすること請け合いである(笑)。しかし一度やってみると、自分のクセを客観的に見ることができる。

この本の前に出ている本で「はじめて講師を頼まれたら読む本」というのがある。

はじめて講師を頼まれたら読む本

はじめて講師を頼まれたら読む本

今回、この「台本」の本には付録で「はじめて講師を頼まれたら見るDVD」というのがついており、早速iPhoneに落として全編(約80分)見た。笑顔を絶やさないのと、関西人らしいノリで参加者を笑わせる楽しいセミナーである。また彼女は自分の失敗談や落ち込んだ体験などもバンバン話す。「何もそこまで話さなくても・・」と言われることもあるようだが、彼女のスタイルだからいいのだろう。

先日の東京操体フォーラムで、講師の川崎隆章氏が「天使の笑い・悪魔の笑い」というテーマで講演して下さったが、その時紹介したのが古今亭寿輔師匠である。私も寿輔師匠の高座を一度体験したことがあるが、いわゆる「ダメおやじ」風の風貌(チョビ髭とか髪型も似ている)なのだが、衣装だけは熱帯魚の様に派手なのだ。これだけでもインパクト大だが、マクラは小さな声でボソボソと「わたしゃ陰気ですからねぇ」みたいに、自虐ネタが続く。これで観客は結構しら〜っとする(私はボソボソ自虐ネタも面白いと思ったが)。そこから本題に入って、人情話で観客をじ〜んとさせて泣かせるわけだが、最初から「うわ〜っ」「ハイテンション!」というよりも心に染みる気がする。

関西のノリはボケとツッコミ、ハイテンションだが、それを全て日本人の笑いに当てはめなくてもいいのかもしれない(あ、これってセミナー講師の話でしたね)。

どちらかと言えば、暗い(笑)、人見知りの激しい東北系の血を引く私が関西吉本風の講義をしなくてもいいのだ。最初から「ハイテンション!」でなくともいいじゃないかと思ったのである。

何年か前、ある女性のクライアントを診た時、私は「こんばんわ」と挨拶した。私の挨拶だし(笑)、夜だったのでどちらかと言えばテンション低めである。そのクライアントは心身症だったのだが、私の挨拶が「アイサツが元気なので怖い」と言われたのだ。え?これが元気かよ!という感じだったが、そういうこともある。
心を病んでいるとか、何か抱えている場合、大きくて元気な声がストレスになることがある。特に私達のような仕事をする場合、それにも気をつけなければならない。具合が悪いときに周囲で大きな声を出されるというのは、それだけで辛いものだ。

DVDはTUTAYAでもレンタルしているそうだ。