最近読んでいる本の傾向として、あるいは世の中の傾向が「直感力」「感覚を磨く」という方向に向いているような気がしてならない。
- 作者: 小山龍介,原尻淳一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2011/12/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者の小山氏は「ISIS編集学校」の後輩にあたる(直接は知らない)。また、知人の会社にも関係しているのだが、いつの間にかベストセラー作家になっていた。ちなみに同氏の「HACKS」シリーズは大抵読んでいるが、本を裁断してスキャンする「自炊」や、Dropbox、Sugarsyncの使い方などは本当に勉強になった。
小山氏は今年の震災後、何度かボランティアで東北に行ったそうだが、やはり今回の震災で意識が変わったらしい。変わったというか、気づいた事というのが
「持っているスキルと仕事の成功に、因果関係はない」
ということだ。それまでの同氏の本を読んでいた人は驚くかもしれない。
「仕事で成功するために必要なものは、スキルではなく運です」とも言い切っている。といっても単に「運を大切にしなさい」というのではなく、。運さえもハックするというのがこの本の目的だそうだ。
ここで紹介されているのが「プライベートライティング」。誰にも見せずに自分で「書く」という練習だ。文章を書くのが苦手という人は、人が読むということを意識しすぎて書けないというケースが多いと思うのだが、これは自分のアタマの中にあることをそのまま書き出すという訓練だ。
私はキーボードを打つのが速い。昔タイプの学校に行ったというのもあるし、ホームポジションが身に付いているのもその理由だと思うが、打つのが一番速くなったのは、ネットでチャットをしていたからだ。そうすると、思考とキーボードを打つスピードがほぼ同じになってくる。こうなってくると、何かを書くというアウトプットの量が増えるのだ。
これは「本を読む」のも同じで、「本を読むのが苦手」という人の話を聞くと、本の内容を全部理解しようとするから途中でイヤになるらしい。目次読書を勧めても、最初から順番にページを繰っていかないと気がすまないのかもしれない。私の知っている限り、読書が嫌いだというのは、本の内容を全部理解したいという「欲張り」根性から来ている。つまらない本は途中でやめてしまってもいいのだ。それを我慢して読むから苦痛になってくる。
ちなみに、読書しない人の最大のウィークポイントは「情報を鵜呑みにしやすい」ということらしい。
ある近いテーマの本を何冊か読めばその違いもわかるのは当然だ。