- 作者: 大谷由里子,河辺よしろう
- 出版社/メーカー: 佼成出版社
- 発売日: 2012/01/30
- メディア: 単行本
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「ランチェスター戦略」というのは「おお、部長が好きなヤツか」みたいな感じだが、それを恋愛戦略に応用したもの。大谷由里子氏(セミナー女王の異名をとる。吉本で横山やすしのマネージャーをやっていた経験あり)、と河辺よしろう氏の対談と、20の恋愛ショートストーリーで構成されている。
大谷「恋愛に必要なのは、まず二人きりになること。帰り近が違っても『わたし、そっちの方にに用事あるの」なんていうのも大切。同じタイミングでトイレに行くのもいいかも・・」
河辺「それ、ランチェスターでは「持近戦」って言うんだよね」
大谷「そのテクニックならいっぱいある」
河辺「1機の飛行機を落とすのに、3機機で仕掛けると確実だよ。これは「必勝の2・8・3法則」っていうんだ」
大谷「わたしの女友達は、彼の母親、彼の友人、彼の上司に気に入られて、彼を落としたよ」
おお、これもランチェスターの法則なのかい!
戦術と戦略の違い。若い頃は現場で戦術系の仕事をするのは当然だ。勤め人だったら、35歳までは戦術系の仕事を地道にしなさいというアドバイスもあった。これは職人や芸の道も似たようなものだろう。最初は下積みするのは当たり前だ。逆に言えば35歳までに屋台骨をしっかり作っておかないと、後が大変である。
河辺:与えられた環境がとんな状態であれ、そこでベストを尽くせない人は、サラリーマンとして優秀とは言えないし、そういう人が独立したところで、何者にもなれない。
サラリーマンは、活躍する場を会社が用意してくれてるんだから、その環境を生かせない人が、独立して自分でその場を用意するところからスタートするなんて、無理です。そこで腐る人と辞める人との遣いが、人の器を作ると言っていい。「こんな仕事
なんて」とか「会社が分かってくれない」と簡単に言う人は、独立してみたって、行き詰まれば「お客が来ないから」とか言って、今度は世間のせいにするでしょうしね。大谷:結局は、与えられた環境のなかで、自分がどれだけ頑張れるか、ということなんですね。
- 評価は自分の現在位置、冷静に受け止めよう
- オンリーワンはナンバーワンの先にある(オンリーワンであることは、努力をしなくていいことではない。オンリーワンとしてかがやくための努力は、必要である
- 「目的」と「目標」をはっきりさせて、計画を練る
目的とは ことの狙い、目当て
目標とは 1.わかりやすいこと 2.数値化されていること 3.「時間」が組み込まれていること
計画には、できるだけ具体的な数値を入れる
- 「買ってもらう理由」探しで需要を作り出す
- クライアントを幸せにしたいという愛情が必要
- 「トライアル」でリアクションしやすい状況をつくる
- 営業力=訪問面会回数の二乗×質 会えば会うほど親密さが増す
- リミッターを作らない。「どうせ」「しょせん」はNG
- 「思い込みの魔法」が人を巻き込む
- 年齢に応じたアップデートをする
- アップデートしないで売れている商品はない
- 仕事は、戦略と戦術があることを、まず知ろう
- 一隅を照らす努力を惜しんではいけない
- 35歳前後までに、自分の将来のビジョンを持つ
- 組織がどういう役割を求めているかを話し合う
- 戦術だけでは勝負は停滞する(先を見据えたビジョンを持って戦略を立てることが必要)
- 成功を決めるのは「願望」と「熱意」
- 「目的」「目標」のズレがあると話し合いは平行になる
- 恋人も家族も、私生活においての顧客
- 家庭でも職場でもない「第三の場所」を持つ
- 弱者同士はグチを言うだけでなく、モチベーションを高め合える関係に
- ワクワク感を起こさせるのは「非日常」の刺激
- 「ヒット商品の三原則」を心得よう。
- 「ニーズ」具体的な誰かの「探している」「困っている」のために
- 「意外性」先見性のあるアイディア
- 「変化」時代に合わせた改良
- 顧客維持対策の鍵は、顧客心理を読むこと
- 「二人の将来のための投資」と感じられるビジョンを作る
- 新規参入には「差別化」で対抗
- ポジショニングマップで戦うべき場所が見つかる
- 次の一手は、現状分析ができて初めて決まる
- ストレスは次のリアクションへのモチベーション
- 優れたリーダーの資質は、恋愛でも女心をつかむ
- 世間や他人の価値判断に頼らない自信を培う
- 選択する強さ、潔さが魅力になる
- 交渉は相手を説得するのではなく選択させることが肝心
- 自分の利点と市場の好みを知って、利点を演出する
- 三パーセントの情報がミステリアスさを演出し、想像力をかき立てる
こんなところである。私もキーボードを叩きながらアタマにいれているのだ。
元々ランチェスター戦略は戦争に用いられたものだが、日本では経済戦略として知られている。戦争は相手に好かれなくてもいいが、ビジネスと恋愛は、相手に好かれてナンボである。日本に入ってきている経済メインのランチェスター戦略は、恋愛にも十分応用できるのだ。
著者の一人、河辺氏が今回の執筆で気がついたことが三つあるという。
- 一つ目は、「愚者を演じられる」ことの大切さ。
- 二つ目は、日常の発見こそ幸せのもと、ということ。
- 三つ目は、円分自身が変化を作り続けること。
最近はソーシャル・ネットワークの広まりなどで「人に好かれて競争に勝つ」というのが、ビジネスでは大切になってくるらしいが、これも戦略的に「誰に好かれたいのか」というビジョンの設定が必要だ。「みんなに好かれる人」というのは、「どうでもいい人」にもなってしまうから。この辺りはしっかり勉強しよう。