2012年9月2日、数年ぶりに「臨床講座」が始まった。こちらは、通常の「指導者養成コース」より期間が長い。臨床実習にじっくり時間をかけるのだ。
受講生の中には、はやる気持ちがおさえられなくて「Youtubeで般若身経の復習をしてもいいですか」「『操体臨床の道しるべ』で連動の予習をするとか、感覚の勉強をしたほうがいいですか」と聞いてきた方もいたが、三浦先生の答えは「やるな」だった。
どちらかというと、操体、それも第二分析以上を学ぶのだったら、まっさらのほうがいい。
講習のはじめの頃は「操体理論」をやる。
第七の天とは?自然法則の応用貢献とは?橋本哲学とは?
操体の顕教的な姿と、密教的な姿の違いとは?第一分析と第二分析の違いは?健康傾斜の道のりとは?橋本敬三医師が唱えるストレスとストレッサーと、ハンス・セリエの言うストレス学説との違いは?などを学ぶ。勿論一度でわかるわけがないので、これは安心して勉強すればいい。一生たのしめる学問なのだ。
十数年前の操体法東京研究会の受講生は鍼灸や柔道整復の先生が多かったように思う。彼らは数年間専門家として学んでおり、整形外科や病院勤務などを経験しており、また専門学校で学んでいる。即臨床に活かしたいというプロ達である。
最近は、一般の方が操体の専門家を志すケースも増えてきている。生理学とか陰陽理論とかは追って勉強する必要があるし、個人的には健康運動指導士や、スポーツプログラマなどの資格の取得もすすめている(これから、スポーツの指導にも資格が必要になってくるだろう)。
★健康運動指導士、スポーツプログラマの資格更新研修では、操体をやっているところもある(あくまでも第一分析だが)。
開業したら対人保険に入る必要もある。これは追々やっていけばよい。
私が操体の講習をはじめたのは1998年辺りだが、当時は自分が習っているものの「でどころ」を知らなかった。無知と言えば無知なのだが、後に三浦先生の30数年前の受講生、滝津弥一郎氏(故人)の受講生の先生、小林先生に習っていた(いわゆる『連動操体』)。現在は当時やっていた操法は殆どやっていない。いや、やっていないといえば、そんなことはない。「快適感覚をききわけ、味わう」という第二分析と、介助法・補助法がわかれば、第一分析や、「連動操体」も、より効果的に甦らせることができることがわかってきた。
いわば操体は学べば学ぶほど「古いもの」をリサイクル?できるのだ。