操体の診断法は進化している。
施術者が勉強し、患者様によりよい臨床を受けていただくよう努力するのは当然だ。
よりよい臨床、よりよい結果というのは、患者様、クライアントのためなのだ。
最近は、視診触診動診、皮膚へのアプローチの他に、もう一つ診断法が加わった。
これは、師範代クラスは伝授されているが、一般にはまだ公開されていない。
ちなみに私は師範代なので、この診断法を習っている。これは、すごい。
さて、当年とって18歳のお猫様、夏の暑さで体調を崩し、一時は毎日静脈点滴で
病院に通った。 ダメかと思ったが、奇蹟的に元気になった。
一ヶ月に一度位はちょっと調子を崩すが、年齢(人間で言えば80代半ば)を考えると
体調の変動はあってしかるべきだろう。
ちなみに橋本敬三先生は、医師でも会ったが、鍼灸師でもあった。
著書にも詳しいが、普通の医者が、鍼灸などの民間療法を認めていなかった時代に、
医師が(昭和初期)民間療法家に頭を下げ、色々なものを習った。
毛鍼という鍼がある。長くて細くて、しなる鍼だ。橋本先生は、市井の鍼師に打ち方を習った。これは結構難易度が高いらしい。
そしてそれは、三浦先生に伝わっている。三浦先生は、橋本先生から毛鍼(もうしん)の打ち方を習い、鍼灸師の試験の際、教官から「なんで毛鍼が打てるんだこいつ??」と不思議がられたそうである。
私が今まで鍼を打ってもらったというのは、自分の受講生と三浦先生くらいである。
以前、ニューオータニで講演をする機会が あった。その時、風邪を引いていて鼻水が
止まらない状態だったのだが、直前に、三浦先生に鍼を打って頂いた。そうしたら、鼻水がぴたっと止まった。お陰様で私は無事に講演を終えることができたのである。
これは、鍼がすごいというのもあるが「操体的な鍼の打ち方」があり、それは通常とちょっと違う、ということだ。打つのはほんの数カ所。あっという間に終わる。
三浦先生に聞くと、橋本先生は「○○のツボ」に打つ、とかそういう打ち方をされていなかったらしい。勿論三浦先生もそうだ。
これが「操体的な診断法」なのではないかと思う。
というわけで、お猫様がどうも調子が悪そうなので、治療をお願いした。
鍼治療を受けるお猫様。前方の煙はセージを焚いている煙。
エクトプラズムとかではありません・・・
猫の健康度合いは、食欲ではかるのが一番だ。
病院の先生にもそう言われているので、食欲と排泄は
注意をはらっている。
ご飯を一日食べなかったのだが
治療後、ご飯を食べるわ食べるわ。
もう、ご飯を食べてくれるだけで嬉しくなってしまう。