考えたら五月は半分以上旅をしていたような気がする。
クライアントのUさんが、「旅慣れてくると、長時間のフライトが
短くなるって言いますよね」と言っていたが、確かにそんな感じがする。
今回イスタンブールまでの11時間は、何だか短かった。
持って行く荷物も減ってゆく。逆に「これは必要」というものも
わかってくる。
また、最近は飛行機に乗ると爆睡してしまうので、寝ていたら着いた
という感じなのである。
前置きはいいとして、6月5日、午後2時、福岡空港に着いた。
羽田で飛行機に乗り、気がついたら離陸していた。
次に目が覚めたのは、着陸時の車輪のバウンドだった。
今回は「読書の快楽」というイベントに参加するための福岡入りである。
その前のプレイベントとして、天神にある「書斎り〜ぶる」で、
中洲生活40年の藤堂和子ママと松岡正剛校長が「美しいオンナ」という
テーマで本について語るというトークライブがあるのだ。
今回このイベントを仕切っているのは、編集学校の同期師範代の中野女史である。
彼女は九州のISIS編集学校系の皆さんを束ねているのだ。
また、大阪の編集学校を束ねる赤松女史とも再会を果たした。
秋穂さんも一ヶ月ぶりである。
「中洲通信」というのは、聞いたことがあった。
それを30年続けたのが藤堂ママなのである。
また、ジャンケンが強いそうで、それでも有名らしい。
ママは本がお好きだそうで、本を読むために、目の手術まで
されたそうだ。何となくそれはわかる。
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- メディア: 単行本
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祖母から三代続くママ稼業。人生・恋愛論としても
なかなか参考になります。
本を読むことのメリットというか、読まないデメリットを挙げると
「聞いた話、読んだ話をすぐ鵜呑みにする」ということだ。
これはよくわかる。何か一つを読んでも、敢えて反対のことを書いてある
ものを読む。
例えば橋本敬三先生の本を読む。うちの実行委員連中は、原稿用紙に
「からだの設計にミスはない」を書き写している。これを繰り返していくと
あるいは「生体の歪みを正す」を何度も読み込んでいると、操体の骨子が
染みてくる。それから、操体とは全く反対のセオリーの本を読むと、
「どこが同じで、どこが違うのか」というのがわかる。
ところが、橋本敬三先生の本を読み込まずに、何でもかんでも読み込むと
「何でもあり〜の」みたいになる。
松岡正剛校長は、先日「オデッサの階段」で、美輪明宏さんが
「声がいい」というコメントをしていたのが印象的だったが、
声がいいのである。特にナマで聞くとそれがよくわかる。
私は声フェチなので、声がいいオトコには甘いのだ(笑)。
私の父は、友達から電話がかかってくるとよく出た。
友達にいつも「今の、お兄さん?素敵な声ね」と言われた。
歌も上手いヒトだった。まあ、父方のオトコ兄弟は皆声がいい。
うちの父はいいとして(笑)。
「え〜、松岡です」というシブい声にやられた輩は多いのである。
また、藤堂ママはハスキーでいい声をしていらっしゃる。
歯切れのいい博多弁でぽんぽんと松岡校長に返すのは、聞いていても
気分がよかった。
ここで博多の秋穂さん(あきほ整骨院@福岡博多で唯一の操体の師範代)と
再会。大阪でISIS編集学校を束ねる赤松女史とも再会したのであった。
なお、今回博多育ちの師匠も参加でした。
トークライブが終わったあと、中洲の元「ロックハリウッド」(現エタニティ)
で「読書の快楽 in ロックハリウッド」が行われる。
会場に移動して、入り口で待っていると、松岡校長が到着し、ご挨拶をする。
私は松岡校長を師匠のツーショットを撮るという積年の野望を果たす(笑)。
秋穂さんに「ここってナンだったの?」と聞いてみると、浅草のロック座
系列のストリップ劇場だったらしい。舞台右手の螺旋階段がなんともいい。
中に入って席につくと、上の方から松岡校長の声がした。
「タバコ、こっちで吸えるよ」
次の瞬間見上げると、師匠が松岡校長と
ソファに座って互いに一服していた。
さてさて、時間になり、ライトダウンすると、右手の螺旋階段から
きらびやかな衣装に身を包んだパフォーマーが踊りながら降りてきた。
(編集学校の学衆さんだそうで)
同時にピアノと筑前琵琶がステージで鳴り響く。
後で聞いたところ、この三人は今日が始めての即興セッションだったそうだ。
ピアノもビンビン響いたが、琵琶のビンビンが印象的だった。
それにあわせて「どくしょの かいらく・・」という松岡校長の声が響いた。
スイッチが入る。
本とはもっと気軽に付き合っていい。
本を読めないという人は、大抵全部理解しようとか
内容のモトをとろうとする。
最後まで読めないことに対して罪悪感を抱いたりする。
そんなことはない。本とはもっと自由に付き合えばいい。