操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

民間療法を家族内で行うことによって介護がなくなる

 

成功のための未来予報

成功のための未来予報

 

 この本は、神田昌典氏が昨年末県立宇都宮白楊高等学校の全生徒900名の前で語ったものをまとめたものだ。

10年後の君は何をしているか。

成績優秀で、いい大学に入って、いい会社に入る。
そういう時代は終わった。会社員が生涯安泰とは言い切れなくなった。

ここには7つの未来予報(予言ではなく、予報である。予言は頼り切るだけだが、予報は自ら考えるちからがつく)が書いてある。

第1の未来予報 お金がなくなる
第2の未来予報 会社がなくなる
第3の未来予報 病気がなくなる
第4の未来予報 国境がなくなる
第5の未来予報 学校がなくなる
第6の未来予報 貧困がなくなる
第7の未来予報 制約がなくなる

ここで私が「なるほど」と思ったのは、第3の予報「病気がなくなる」である。
西洋医学一辺倒だったものが、代替医療統合医療も取り入れた治療が増えてきている。

神田氏ご自身は3年前に腺がんにかかっているが、完治している。勿論最先端医療も受けたのだが、枇杷(びわ)温灸などの民間療法も受けたのだそうだ。
それまで代替医療は余り信用していなかったのだそうだが、個人的には300万の最先端医療よりも、3000円の枇杷温灸のほうが効いた気がしたとのことだった。

そして、医療分野では「治療」はもとより、最近は「予防・未病医学」が進んでいる。
あと数年もすると、朝トイレに行った時の尿から、日々の健康状態がわかるとか、心音のチェックができるとか、わざわざ病院に行って検査しなくとも、日々の健康チェックができるようになってくるのだ。

そして

「民間療法を家族内で行うことで、介護がなくなる」という一節。

「家族のメンバーがそれぞれ、指圧なり温熱療法なりの民間療法を提供しあう、というのが、これからの10年で起きていくことではないかと思うのです」

「病気がなくなるというのは、最先端医療、西洋の医療技術が進化することからということもありますが、医療がよりお金がかかり、複雑になればなるほど、病気になならいための民間療法が家族の中に浸透していく、そういう流れができていくのではないかと思っているわけです。それだけ、一人ひとりの健康への意識が高まっていくということでもあります」

「医療現場だけに高齢化社会の矛盾と責任を押しつけるのではなく、私たちが自らできることがたくさんある。年をとったからといって、病気になるわけではない。そんな当たり前のことを思い出したとき、私たちには医療が必要なくなるんじゃないかとおもうほどです」

そうなってくると、
操体の出番である。

この話を師匠にしたら「みんな、操体を覚えればいいんだよ」と。

 

私達操体のプロは、
症状疾患がすすみ、自分では手に負えなくなっている、間に合わなくなっている
方々を、自分でメンテナンスできるところまで、健康の度合いを引き上げるのが
目的である。もちろん、家庭でできる範囲以上のことをやるのは当然である。

勿論操体は家庭でできる。
介護や育児、未病医学ということで考えたら、操体は非常に有効なのである。

道具もいらない。時、場所を選ばない。
そしてきもちいい。

 

個人的に「足趾の操法」というのは「万病を治せる妙療法」だと思っている。
きもちがいいうえに、寝たきりであるとか、からだを動かせない場合、
幼児などにもできる。

操体のプロになりたい、プロにならなくてもいいから、
家族のケアをしたいという場合は、まず受けてみて、
足趾の操法を勉強すれば?というのが私のお勧めである。

講習中「ハタケヤマ先生、起きてください〜」と、あまりの気持ちよさに
寝落ちすることもある。

ある受講生は、もともと私のところで操体を受けていたのだが、
現在「足趾」の講習を受けている。
家族も私のところで足趾の操法を受けているので、彼が家族に練習台になってもらうと「ハタケヤマと違う」と、ダメ出しが入って勉強になります、とのことだったが、
家族の体調がすこぶるいいのである。

 

この他「お金がなくなる」というのも面白い。

世の中は思っているよりも早く動いているのである。