操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

カタカムナへの道 潜象物理入門

 操体を勉強するならば、この本は読んでおくとよい。

4月に開催された東京操体フォーラムの席に、操体プラクティショナーである
埼玉の中谷先生がこの本を持って師匠の元に現れた。

操体の創始者、橋本敬三医師は、晩年相似象、カタカムナを研究していた。
師匠三浦寛が修業時代、月に一度東京から先生を呼び、勉強会をしていたそうであり、その時に風呂敷包みをよく運んだという。

カタカムナへの道―潜象物理入門

カタカムナへの道―潜象物理入門

 

 この本、amazonで古いのを買うと四万円以上するのだが、今回第2版として再版されたのである。

「この本を読んで納得するのでは無く、相似象を読んで学ぶべし」と、ある。

面白いことには、作者の関川氏は、もともと稲作をやっており、農文協とも
ご縁があった。そして、千島学説の千島博士とも親交があったらしい。

そうきたか!という感じである。

 

さて、この本を読んでいた師匠とコーヒーショップで話していた時、

「おい、これを見てみろ」と、示されたのがまたショッキングであった。

 

正しい立ち方

人間の最も「安定した安楽な立ち方」とは、両足をきちんと整えた形ではなく、


1.自然の骨格に従い両足を股関節の幅に開き

2.かつ両足は八の字の形ではなく、平行におくこと

3.次に背骨をなるべく曲がらせずに、できるだけ地面に垂直に近く保つために(重力に対し最も抵抗の少ない形をとるために)尾底骨を内側  に入れるようにして、武道や太極拳で言う「腰を入れる」こと(男子  なら立って排尿する形)、但し腹部を前方に突き出してはならない。  むしろ丹田と言われる辺りをぐっと引締め(ヘソは天井へ向けるよう  にし)、肛門を上に引き上げるようにして力を抜く

4.そうすると、独りでに両足の膝が前方へ少し緩む。このとき膝をそと開きではなく、やや内股的に締めると、両足はあたかも杭を打ち込む  ように指先を踵が地面に食い込み、土踏まずの辺りが、しっかりとし  たアーチ型となって全身の体重を支え、重心は第五腰椎周辺と足の裏  のほぼ中央を通る直線上の静止点に安定する・・・

 

 これは「からだの設計にミスはない」に書かれている自然体立位によく似ているし、「股関節の幅に開き」というのは、最近私達が「足幅は骨盤が中に入る広さ」と言っていることに通じる。

さらに、背骨云々とういうのはいわゆる「含胸抜背」にも通じてくるし、自然体立位の最大のポイントでもある「膝の力をホッとゆるめる」となっている。

 

これは、橋本先生もここからひろってきたのだな、と思えるところである。

今現在私達が操体法東京研究会で実践しているものにも近い。
特に「膝を緩める」という箇所で、よく師匠が「お尻のちからを抜くような感じ」(実際には抜けないのだが、膝がゆるむ)と指導しているが、まさにこんな感じだ。