操体というとほぼ100パーセントの割合で「整体とはちがうんですか」と聞かれる。
整体とは違う。
もともと整体は、それまで名前が統一されていなかった日本の民間療法を、野口晴哉先生が「整体」と命名した。
「整体」というのは、一種の業界をあらわすような言葉であり、その種類と内容は多種多様にわたる。
最近町中で見かける「整体」というのは、野口整体とは違う。
最近はわざわざ「野口整体」と言わないとわからなくなっているのだ。
日本ではマッサージをやるのは国家資格を持ったマッサージ師であるが、
リラクゼーションとか整体という名称を使って、マッサージ類似行為をしていることがある。「ほぐし」とかもそういうことだ。
中には勿論臨床をしているところもある。
整体をひとことで言うと「他力」である。
先生が診断し、治療し、結果を出す。
操体はひとこと言えば「自力」だ。
患者自身が診断し、治療する(操者はそのお手伝いをする)。
私の経験だが、整体で開業していた人が操体を学び、そのセオリーの深さ、操体の面白さに目ざめ、違いがわかると大抵屋号から「整体院」とか「整体」という文字をはずす。
操体法東京研究会で勉強している受講生をみると、本当にそうなのである。
私は、その人の成長の度合いとして、整体と操体の違いが分かっているかいないかで計ることがある。