この秋の東京は美術展がすごい。
先週は北斎と菱田春草(後半)を見に行ってきた。
家族が障害者手帳(ペースメーカー)を持っているので、
「同伴者は一人タダになるから行こう」と言われるのだが、
一人で観たい。
また、たまにチケットをいただき、師匠と行く事もあるが、
なにせせっかちなので、密かな趣味でもある「ガイド」を聞くことも
できない。
というわけで、大抵は一人で行くことにしている。
また、美術展などでは
二人連れもしくはそれ以上で来館し、
喋りながら観ているおばちゃんがいるが、
自分も何名かで来たら、あのように人様に
迷惑をかけたらイヤだからというのもある。
それはともかくとして、
まず、表参道の太田記念美術館(浮世絵専門)に行った。
今現在、歌川国貞展をやっている。
上野の北斎もよかったが、ここはまた格別。
浮世絵好きなのである。
国貞の絵は「どこかで観たことがある」ものが多い。
七代目市川団十郎と仲が良かったので、団十郎の絵が多かった。
そして、海老蔵の絵もあったが、目が大きかったのが印象的だった。
團十郎の「死に絵」もあった。
私は初めて見た歌舞伎が先年なくなった団十郎が海老蔵だった頃に
観たものだったのと、とても格好良かったのを覚えている。
それから、銀座で開催の THE MIRROR へ。
これは銀座にある古いビル、戦災でも焼けなかった築80年だかの
ビルが解体されるので、その前にアートで飾ろうみたいなイベント。
ここでは松岡正剛校長の「屋根裏部屋」が展示されている。
愛用のペン、愛用の茶碗などが並び、天井には素敵なモジャモジャがはりついている。
「松丸本舗」を懐かしく思い出した。
、と
それから一路銀座線に飛び乗り(今日は銀座松屋のトロールビーズショップも、
Appleストアも、伊東屋もスルー)、上野へ。国宝展である。
これもチケットを買っておかなければ絶対行かないだろうと思い、
チケットを買って行った。
15時半頃だったが、並ぶことがないくらいだった。中は勿論混んでいたが、
思いの外すいすいみることができた。
玉虫の厨子は、何だか中学の修学旅行で観たような気もしている。
思ったより大きかった。
そして、前半展示の目玉が「正倉院の琵琶」である。
螺鈿細工が驚く程美しく細かく、裏表から暫く眺めていた。
ちなみに、音声ガイドは竹下景子。
さすが貫禄というか、情感たっぷりの聞き応えのあるガイドだった。
「教科書で見た!」みたいな感じで非常に楽しめる展示である。
日本人なら一回は見とけ!みたいな感じ。
また、仏画と仏像が結構好きなので、こちらも
素晴らしいお姿を拝観した。拝みそうになったが(笑)
ちょっとだけ合掌してきた。
ここで「おお」と思ったのは、仙台市博物館でたまに見る
「支倉常長像」が国宝として展示されていたこと。
思わず「おお、六右衛門殿、お久しぶりでござる」とか挨拶してしまった。
そうなのだ。あの絵は国宝だったのだな。
さすがに一日に3つ美術展をハシゴして、足が疲れた。
でも、脳みそは何だかパワーアップした感じがした。