操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「弓と禅」

東京操体フォ-ラム実行委員の勉強会では、
読んだ本のシェアなどもします。

 

先日の勉強会で岡村先生
(岡村郁生先生 操快堂 勿論操体専門。
操体法東京研究会師範代)

soukai-do.com

が、一冊の本を紹介してくれました。

私は迂闊にも読んでいなかったので、
早速購入しました。

 

弓と禅

弓と禅

 

 

オビを見ると、なんと

スティーブ・ジョブズの生涯の愛読書!」と
あるではありませんか。

彼の人生に大きな影響を与えた「禅」。
その道に傾倒した若き日のジョブスが出逢った運命の一冊。

全てはここから始まった・・・

 

Mac愛好家で、実はジョブスが一度だけ
Macエキスポジャパンで基調講演を行った際に、
新しいiMacを買ってまでその聴講券を入手し、
松岡正剛先生からは「ジョブズの子ども」という意味の
俳号をいただいているわたくしでございますから、

教えてもらってよかった!岡村先生、ありがとう!

 

そして、これをうちのグレゴリー君に伝えたところ
当然と言えば当然ですが「既に英語版を持っている」とのこと。
さすが!

 

この本は、ドイツの哲学者、オイゲン・ヘリゲル(1884-1955)が、
日本滞在中(大正13年:1924年~昭和4年:1929年)に、
弓道の修業を通して禅の思想と出会い、日本文化の根底に
流れている禅への造詣を深めていく話なのです。

 

ヘリゲルが入門した弓の先生は、以前
外国人に弓を教え、その文化的考察などの違いから
金輪際外国人に教えるのはイヤだと思っていたそうですが、
運良く日本人の門下生の先輩のお陰で
入門することができます。

 

以前、元受講生(現在は門下ではありません)で、
内田樹先生の「修業論」を
バカにした発言をしたような発言をした者がいました。

 

修業論 (光文社新書)

修業論 (光文社新書)

 

 

つまり、修業というのはバカらしいと言うのです。

やり方さえ覚えれば、師弟関係なんていらないとか
そんな感じでした。


というか領収書や契約書の関係みたいな感じ。

 

まあ、その方だけではありませんが
そういう態度で習いに来る輩に、
秘伝とか「こいつ、めんこいから教えちゃお」
ということは、まずありません。

 

あのね、教わる側にもコツがあって、
「こいつめんこいな、教えてあげたいなあ」
と、思わせるです。

 

ヘンな工作や「ふり」とかは
バレます。

 

さて、

 

こやつにこの本を煎じて飲ませてやりたいくらいですが、
多分飲ませても、咳とクシャミをして、
ついでにオナラするくらいでしょうからやめておきます。

 

さて、

海外で操体を指導したことがあります。

それは、スペインですが、

まず、彼らの口ぐせは「何故?」なのです。
何かやっても「何故?」(porque?)と聞いてきます。

 

理由を聞かないと納得できないような
感じでした。これは結構疲れました。

 

橋本敬三先生なら
「そうなってんだから仕方ねぇ!」と
おっしゃりそうです。

 

しかし、実際に操法を受けてもらうと
天井を指さして

「あっちと繋がった」と言ったりします。

 

体感すると早いんですね。

 

体感しない人は、相変わらず
porque?」と聞いてきます。

 

「だから、そうなるようになってんの!」という
いたちごっこが続いたりして。。。

 

スペインで長年指導している方に聞くと
最初は日本の心を指導しようとしたけれど
諦めたとのことでした。

 

師弟関係と、段々物事が分かっていくような
修業はあまり好まないのです。

 

四段階あったら、
一段目からじっくりやるのではなく
いきなり四段目を教えて欲しい、みたいな感じです。

 

★最近、日本人でも
「最初から渦状波®を習いたい」という、
すごい人もいますが(はい、このリクエストには
お答えできません。順を追っての学びです)
そういうわけには行かないのです。

 

というときに

「この本、読めば?」と、
勧めてあげたいです。