YouTubeで、渦状波®の動画を観た方から、
「どこをどう触ればああいう動きが誘発されるのか、教えて欲しい」という話がありました。
まあ、気持ち的にはわかりますし、操体法東京研究会の過去の受講生にもそういう方はいました(過去形です)。
そう思うものかもしれません。
★操体の勉強で一番コケやすいのは「操体は、症状疾患にとらわれない」(つまり、どこをどうすればどうなる、というマニュアル的なアタマを捨てること)だからです。
そして、その方は「操体はジブンでできる」というアタマがあるので「触る場所とか教えて貰えば自分もできるかも」と思ったのかもしれません。
不思議なことに、「からだ」は「操者」を選びますし、単に触れているように見えますが、呼吸や意識のコントロールをしているわけなんです。
師匠がやれば反応があるのに、弟子がやってもダメ、ということはあり得ます。
よく「センセイの真似したけど、全然うちのダンナは動かない」という話を聞きますが、当然なのです。ただ触れているわけではありませんし、場所が決まっているわけでもありませんし(それを読み取れるようになるのが、可能性を限りなく高めるのが我々の勉強
なのです)。
そして、最近はいませんが「DVDを見て操体を覚えたい」というケース。
昔は「空手の通信教育」とかありましたが、「通信教育で空手を習った」という人に、実力を期待できるでしょうか??
座学で「歴史」とか「セオリー」を学ぶことはできます。
DVDで、ある程度のおおまかなことを見せることはできます。
しかし、実践となると、ある程度下地があるとか、他の手技療法を極めているとかになってきます。
DVDというのは、すでに習った人の復習か、興味をもってこれから勉強したいヒトのための参考になるか、何となく持ってると安心とか、センセイが出てるから買おうというのが妥当です。
さて、操体は「自力自療」といいますが、イコール自分でできる、ではありません。
個人的には「般若身経」と、何種類かの動診操法と、他者にはわからない感覚のききわけ(自分にしかわからないし、きもちよさを味わうのは自分のみなので)を行うのが自力自療であると考えています。
そして、それでは足りない、間に合わない人がいます。
そういう方をヘルプするのが、我々プロの操体実践者なのです。