友人のご子息が手首を怪我した(捻挫)とのことで、捻挫とか骨折について思い出す。
今は「骨にヒビが入った」とは言わず、ヒビが入ったら「骨折」。
肋骨にヒビが入ったとか、足の小指を箪笥の角にぶつけてヒビが入ったというのは、割と聞く話だし、かといって肋骨にヒビが入っても、コルセットや湿布を貼りながら「時間薬」(治るまで待つ)というのが殆どのようだ。
そして、もっと言えば、皆さん、捻挫などで操体を受けるとは思っていないのだ。
ある操体の本(N文協から出ているシリーズ)に、1箇所だけ「捻挫」への対応が書いてあるが、操体というよりは「古典的な骨接ぎの手法」で、素人が自分でやるのはまず無理だし(呼吸に合わせて骨を操作、なんてプロの仕事)危険だと思われる。
これは、患部を直接操作する方法だ。
まあ、痛みがないほうに動かして、瞬間急速脱力という手もないことはない。私も昔結構捻挫には当たったので、それはわかる。しかし、この場合のデメリットは、動診時、被験者に痛みを与える可能性が高いということだ。そして、回数を重ねるのは避けたいということもある。
★以前、膝関節の捻挫で、膝が腫れ上がっているクライアント(なんと関西からわざわざ来て下さった)に、口頭での指示で「痛みのある方向から痛くない方に逃げる」というのを試してもらったら(本人によく感覚を確認させて、指示に合わせてやってもらったのが良かったのかも)、スコン!と世にも爽快な音がして「あれ??痛くない」ということになり、本人はにこにこ笑いながらスタスタあるいて帰ったということもある。
まあ、これは半分以上は運が良かったのだと思っている。
★★操体ならば「患部に触れずに遠隔的に操作ができる」のだ。また、骨折したり怪我しているところを触るのは、つとめて避けたいところだが、これも可能である。
★★★骨折して固定しているところに触れずに調整ができるということだ。
何故、患部に触れずに遠隔的に操作・操法が可能かというと、それは、我々のアタマの中には「連動」のパターンが入っているから。
下記3冊は、医道の日本社から出版されている「連動系3冊」である。
ここでは末端の手関節、足関節からの連動が紹介されている。
★当時は「連動はみんな違う」という反論もあったが、紹介されている「連動」とは、ボディに歪みがない、自然体の時に派生するものであり、症状疾患を抱えているクライアント(患者)は、ボディに歪みを有しているので「自然な連動」が起こらず「不自然な連動」が起こるのは、当然のことなのである。
★この辺りの理論を明確にせず(歪みがある場合は、自然な連動が起こらず、不自然な連動が起こり、ボディの歪みが正されると、不自然な連動は「自然な連動」に戻るということ)「手を外に捻るとこう動く」という、決めつけでやっているところもあるようだが、ここはちゃんと掴んでおいていただきたいところである。
そして「操体臨床への道しるべ」、これが出たのが2007年だから、既に10年経っている。
10年経って、三浦寛がまだ同じ事をやっているとお思いだろうか?
その通り。
全身形態への連動のパターンや見方は、10年の間に進化している。
これが「第五分析」である。
勿論、これらの「連動3冊」が理解できている、ということがベースとなっているが、私自身、第五分析の全貌を目の当たりにした時は
「驚愕」した(笑)。
しかし、我々東京操体フォーラムのメンバーの凄いところは「その変化・進化についていく」というところなのだ。
★環境の変化への素早い対応が、生き残りに繋がるのだ
その一端をご紹介できるのが、4月29日開催の「2017年春季東京操体フォーラム」(なんと三浦・畠山体制で15年目に突入)
そして、GWには三浦と畠山による集中講座も開催致予定。
どうぞよろしく。
これら「連動3冊」は、操体関係者よりも(操体関係者の多くは「連動は皆違う」と言う意見だったようですが、そうではないことは明確です)、トレーナーや、スポーツ関係者、武術関係者が興味を持ったそうです。
操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ
- 作者: 三浦寛
- 出版社/メーカー: 医道の日本社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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