少し間が空いてしまいましたが、続きです。
さて、被験者の左足背に介助を与える場合、操者の左手を使う場合と、右手を使う場合があります。
橋本敬三先生の写真を見ると、左足背に介助を与える場合は、右手を使っているようです。そして、先生はベッドに仰臥した患者さんに、立位で操法を行っていますが、我々は、床で正座してやることも多々あります。
この場合「手は小指、足は親指」ということを考えると、被験者の左足背に介助を与える場合は、操者の左手を添えるほうが、「被験者の母趾と操者の小指」を使うことになるので、身体運動の法則的には、こちらのほうが妥当かもしれません。
なお、この場合は、操者と被験者の正中を合わせます。
また、橋本先生スタイル(写真では、被験者の右足背に、敬三先生が左手を添えています)
なお、再三同じ写真で申しわけないのですが、意外と見落としがちなのが、被験者の膝に当てている手です。
写真では結構「がばっ」と押さえていますが、実は、ちゃんと押さえるべきところ、ポイントがあります。
★これをはずすと、支えが上手く行きませんし、見た目も綺麗ではありません。
身体運動の法則では「フォームが美しい」ことも挙げられていますが、それもちゃんとカバーする必要があります。
いいですか、橋本先生は熟練していらっしゃるので「がばっ」と持っているようでも、ちゃんと押さえるべきところは押さえていらっしゃるのです。また、忘れてはいけないのは、橋本敬三先生はドクターであり、我々は一介の、ドクターではない手技療法家、つまり、ドクターよりも、ずっと触れ方などには気をつけなければいけないのです。言わば、サービス業ですからね。
操者は足の背に触れることになりますが、中には、足首を押さえつけるとか、足先(爪のエリアを含む)を押さえつけるとか、そのようなことをしている場合も見られますが、この二つでは、全身形態の連動を促すことはできません。
ちゃんと「ここに手を添えてね」という、ベストプレイスがあります。
この場所に当てられるかどうかが、「上手く行くか行かないか」の分かれ目の一つでもあります。
「効くこともあるけれど、そうではないこともある」というのは、このあたりからきているのです。