操体法大辞典

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足関節の背屈について少し説明しましょう(その3)

少し間が空いてしまいましたが、続きです。

 

さて、被験者の左足背に介助を与える場合、操者の左手を使う場合と、右手を使う場合があります。

 

橋本敬三先生の写真を見ると、左足背に介助を与える場合は、右手を使っているようです。そして、先生はベッドに仰臥した患者さんに、立位で操法を行っていますが、我々は、床で正座してやることも多々あります。


この場合「手は小指、足は親指」ということを考えると、被験者の左足背に介助を与える場合は、操者の左手を添えるほうが、「被験者の母趾と操者の小指」を使うことになるので、身体運動の法則的には、こちらのほうが妥当かもしれません。

なお、この場合は、操者と被験者の正中を合わせます。

また、橋本先生スタイル(写真では、被験者の右足背に、敬三先生が左手を添えています)

なお、再三同じ写真で申しわけないのですが、意外と見落としがちなのが、被験者の膝に当てている手です。

 

写真では結構「がばっ」と押さえていますが、実は、ちゃんと押さえるべきところ、ポイントがあります。

 

★これをはずすと、支えが上手く行きませんし、見た目も綺麗ではありません。
身体運動の法則では「フォームが美しい」ことも挙げられていますが、それもちゃんとカバーする必要があります。

 

いいですか、橋本先生は熟練していらっしゃるので「がばっ」と持っているようでも、ちゃんと押さえるべきところは押さえていらっしゃるのです。また、忘れてはいけないのは、橋本敬三先生はドクターであり、我々は一介の、ドクターではない手技療法家、つまり、ドクターよりも、ずっと触れ方などには気をつけなければいけないのです。言わば、サービス業ですからね。

 

 

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操者は足の背に触れることになりますが、中には、足首を押さえつけるとか、足先(爪のエリアを含む)を押さえつけるとか、そのようなことをしている場合も見られますが、この二つでは、全身形態の連動を促すことはできません。

 

ちゃんと「ここに手を添えてね」という、ベストプレイスがあります。

 

この場所に当てられるかどうかが、「上手く行くか行かないか」の分かれ目の一つでもあります。

 

「効くこともあるけれど、そうではないこともある」というのは、このあたりからきているのです。