その日は、午前中で仕事が終わり、また水曜日であった。
メジャーな映画館は、大抵水曜「レディスデー」というのをやっている。
そして、某R銀行の口座を使っている私には「3月末までの期間限定ポイント」というものがあり、そのポイントは二子玉にある映画館で使えるのであった。
さらに、その映画館のポイントをためているので、あと1本みると、ポイントでもう1本みることができるのである。
「よく映画観てますね」と言われたが、そもそも土日は仕事だし、テレビは見ないし、食べ歩きとかしないし、旅行にも行かないし(というか仕事の出張だし)、夜も仕事か勉強してるかだし。
高校時代は月に30本くらい観てたことを考えると、今は本当に映画観てないし、三茶の名画座がクローズしちゃったし。
というわけで、観てきました。
これは、日本語のタイトルがイマイチ。”Collateral Beauty” というのは原題だが、Collateral というのは、辞書を引くと「担保」と出てくる。??
実はこの言葉、「美徳”や”すばらしいもの”が、あることを起点に周囲に二次的に広がっていくことをあらわすらしい。
劇中では「幸せのオマケ」と訳されていた。
主人公は「死」「時間」「愛」に手紙を書く。この3つがキーワードだ。
しかし、一番重要視されているのは「死」ではないか?
タイトルを見た限りでは「娘を失って心を病んだ男が、心を取り戻す感動の物語」みたいに見えるが、どうもそうではない。主人公の同僚は余命すくないとか、娘に嫌悪されているとか、子どもが欲しくて精子バンクをチェックしているとか。
で、この同僚達も「愛」「時間」「死」を表しているのかしれない。
そう思っていたら
実は怖くね?ガッカリ邦題シリーズ『素晴らしきかな、人生』が、「意味がわかるとミステリー」である3つの理由 | ORIVERcinema
という記事を発見した。
そうだ。この作品は本当はミステリーかもしれない。
三人の舞台役者は一体ナニモノだったのだろう?
タイトルにごまかされない?でください。なかなかいい作品です。
そして、何故か今まで全く縁がなかったこのバンドのドキュメンタリー。
私は小学生の頃からKISSとメタルが好きだったもので、日本のバンドって殆ど聞いていないのだった。
そして、その昔、新宿のツバキハウスで、まだ売れる前の「X」の頃の彼らを何度か見かけたりはしていたけれど、すでにJAPANとかニューロマンティックで「洋モノビジュアル系」は食い尽くしていたし、速いのもすでに洋楽で経験済みだったのだ。
というか、彼らは「絶対KISS好きだろ!」みたいな感じだったんである。同年代だし。
そして分かったのだが、彼らの全盛期、私は父の死をきっかけに手技療法の世界に入り、操体の勉強に打ち込んでおり、音楽を聞くとしても洋モノヘヴィメタルだったので、なんだか全く聞くチャンスとかなかったのだ。
しかし、先日のKISSエキスポでは、YOSHIKIがポール・スタンレイと対談しているし、この映画の予告にはジーン・シモンズが出てるし、ロックのドキュメンタリーって好きだし、ということで観に行った。
私はなんだか「如何にもロック好きそうな格好」をしていたので、多分ファンだと思われたかもしれない(笑)。映画館の場内には「往年のファン」っぽい人達がたくさんいた。
昨年、一番新しい、ジャニス・ジョプリンのドキュメンタリーを見た。ご存知のとおり、ジャニスはツアー先で泊まっていたモーテルで、ヘロインを打って亡くなった。
彼女のコンプレックス、故郷で受け入れてもらえない寂しさ、苦悩などが描かれていた。
先の「素晴らしきかな人生」ではないが、このドキュメンタリーも「死」の影がちらほら見える。
彼らはどこに行くのだろう。
アメリカに来たときは英語が話せなかった(彼は、ニュースキャスターの英語を真似たらしい。なので彼の英語はきれいで聞きやすいのである)。
もしも、英語圏のバンドだったら。そうかもしれない。