意外かもしれないが、操体で重要なのは、腕(テクニック)もあるけれど「言葉の誘導」なのである。
そして、操体で一番難易度が高いのが、
「不特定多数の被験者相手に、言葉の誘導だけで操体をやらせる」ことだと思う。
私は健康運動指導士のライセンスを持っているが、ある健康運動指導士の方から、資格更新研修で「操体をやった」というヒトがいたので、
「へえ。どんなのやったの?」と聞いてみた。その研修では、初対面の人間が二人一組になって、色々な操法をやり合ったとのことだった。
これ、ありがちだが、操体の勉強法としては非常に大雑把なものだ。
そもそも、ウルトラ初心者が二人一組になってやる、というのはよくない。
初心者が操体を体得する方法としては、下の下だ。
★熟練者、あるいは熟練者と初心者が組むというのであれば、悪くはない。
★なお、私の受講生で「ある操体の講習に行って、初心者が二人一組で操法をやったが、相手が力加減がわからないので、具合が悪くなった」という方がいた。
「操体」といっても、膝二分の一屈曲位で膝を倒すものがあるが、倒した膝を支えた手を「ぱっ」と離したりしているのを見たことがある。
(私はK療法もといK医学をやっているヒトがそうやっているのを見た。K療法の故U氏は、操体法東京研究会で操体を三浦寛先生に習っているので、倒した膝を支えた手を、被験者の脱力と共にはなす、というようなことは習っていないハズなのだが??
これも「伝言ゲーム」のような感じで、妙なやり方が横行したのだろうか?)
傾倒した膝を操者が支えていて、操者がいきなり手を離して「瞬間急速脱力」させるのは、ふつ~に考えても危険である。
★「瞬間急速脱力」は、結構操者のスキルが要求されるのだ
★「瞬間急速脱力後の保持」方法は重要だが、実は操体の本には載っていない
最近は、カルチャーセンターでの整体のクラスなどで「初心者(つまり、力加減などが分からない)同志が二人一組で組んで行って、怪我などをする」ことがあるので、「いきなり二人一組で」というのは避けているという話を聞いたことがある。
ちなみに、操体法東京研究会の定例講習では、未熟な受講生同士のみによる練習などはやらないほうがよい、としている。というのは、どちらか、あるいは双方が間違っている場合もあるからだ。これは今までの事例から言っても間違いない。
初心者は、指導者の下で練習することが大切なのだ。
まず、順番としては、
- 指導者がやっているものを見る
- 指導者から受ける
- 指導者にチェックをいれてもらいながら、やってみる
- チェックをフィードバックする
- 他の受講生がやっているものを見る
- 評価する
ということになる。