操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

膝窩触診と足関節背屈のテキスト。

なんだか立て続けにクシャミが10連発。そろそろ花粉症でしょうか?
季節的には早くもないですね。

 

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先日「操体って効くときと効かない時があるのはどうして?」というのを書きましたが、色々考えてみたら、今度「足関節の背屈」か「膝の左右傾倒」に特化したテキストを書こうかと思い立ちました。

 

足関節の背屈の前には、膝窩(ひかがみ)の触診があります。

 

まずはここから説明と、なぜ、この操法は「触診のみで動診がないのか」という説明も必要です。


私も「視診触診講座」で指導していますが、膝窩の触診は、操体をやるのなら、いえ、他の手技療法にも大事です(鍼灸師柔道整復師でも、触診を学校で習っていないというか、国家試験合格のための予備校となっているので、視診触診は、現場のOJTでという話です)。

 

★脊柱の診方などは、橋本敬三先生から伝わる「操体の伝統的な診方」というのがあるのですよ。

また「膝窩の触診で、その人間の操体のレベルがわかる」というのが私の持論でもありますが、「プロなら10秒以内に圧痛硬結を探せ」と言われて勉強します。

 

また、この膝窩の圧痛硬結を触診するということは、単に触診ということではなく、臨床を運ぶ上で、非常に重要な意味があります。


そして、私達は「触診」をしながら「視診」もしています。

 

操体は、最初につま先上げて、次に膝倒しして、次にうつ伏せでカエル(私達は伏臥膝関節腋窩挙上といいますが)やって、カカト付きだしやって、などと、順番にワンセットやる人もいるようですが、これはナンセンスです。

 

以前、アメリカで操体を習ったという方から操体には順番があって、その通りにやらないといけないと習った」と言っていましたが、それはウソです(笑)
教えた人の責任です!!

 

効かないから知っている動診操法を全部やって、結局はクライアントが疲れてしまった、というのでは笑い話にもなりません(実際聞いたことがあります)。

 

橋本敬三先生がなさっていた動診操法は、限られていたようですが、それは、お年を召したというのと、ワザが磨かれた(つまり、上手いので、手数が少ないように見える)からなのです。

 

一般の人が、橋本先生の真似をして、何でも「足関節の背屈」と「膝の左右傾倒」と「伏臥膝関節の腋窩挙上」で解決できると思ったら、大間違いなのです。

 

例えば、伏臥位がとれない方はどうするのでしょう?できないのは諦めてパスする??
仰向けになれなかったら?諦める?

 

まあ、操体は「どの操法を選ぶかが難しい」と言われますので、アメリカなどがお得意の、プロトコール化(手順書化)で、最初にアレをやって次にアレ、と決まっていたほうが簡単で考えることもありませんし、指導者もラクチンです。

しかし「どの操法を選ぶのか」を学ぶのが、操体臨床の醍醐味でもあります。

 

被験者の左膝窩に指先(実は、どの指で触診するかも定義があります)を入れて、指のどこを、どのように使うのか。方向性は、力の入れ具合は?というノウハウがありますが、本には書いてありません(なので、皆さん結構アバウトにやっていらっしゃるのです)。

 

膝窩に触れ、被験者が微かに首を右に傾けたとか、膝が右に逃げたとか、そのような微細な反応を、我々は見ているんです(アタマの中に、連動の法則が全部入っているので、その次の動診が瞬時に決められるということです)。

 

なんだか、この辺りはそろそろ文章やテキストで公開してもいい時期なのかもしれません。

 

そうなってくると「操体的なからだをつくる編」からかな?

 

実は、眼の使い方とか(例えば、凝視すると見えなくなるとか)そんなコツもあるんですよ。

 

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