渦状波®(皮膚へのアプローチ)に関する本が世に出たのは、1999年10月です。
丁度、全国操体バランス運動研究会の東京大会で、早稲田の井深記念講堂で開催された時です(実行委員長は三浦寛先生)。
当時の操体関係者の反応ですが、皮膚へのアプローチは「何だか変わったことしてるな」くらいだったのですが、しばらくすると「皮膚をずらす」「皮膚を捻る」「絞る」などをする人が現れました。
そして、2015年くらいになると、全国操体バランス運動研究会に出ている人も「皮膚の操体マッサージ」とか、何だか皮膚っぽいことを言い出してきました。
そして、最近では、伝統療法カンファレンスでも、今まで「筋」「腱」と言っていた先生が「皮膚」について述べているのを聞きました。
カンファレンスでは「快」「きもちよさ」についての発表もありました。
まあ、皮膚といっても「イオン交換」「固有受容器」的な話がメインだったりするので、操体的(三浦寛先生的)な、皮膚のとらえ方とは少し違うようですが(我々も、皮膚の解剖学的なことはしっかり勉強しました)。
渦状波(かじょうは)は、さするとかもむとか押すとか捻るとか引っ張るなどの、刺激ではなく「刺激にならない接触」です。
今「皮膚」と言っている手技療法家の殆どは、上記のような「刺激」です。
刺激と接触は違うのか。
違います。神経の伝達経路や、意識に働きかけるのか、無意識に働きかけるのかなど、扉をあけると、こんなにも違うのか、と驚く程の違いがあります。
なお、渦状波を「指二本で触るだけ」だと思ったら、大間違いです。
よく「家でセンセイの真似(渦状波)してダンナにやってみたんだけど、何も起こらなかった」とか「講習の場ではできるんだけど、家に帰ってやってみたり、自分でやってもうまくいかない」ということがあります。
単に触れているだけではないからです。
私はこの話からいつも思い出すのが、密教の伝法灌頂です。
伝法灌頂(でんぼうかんじょう)とは、阿闍梨という指導者の位を授ける儀式である。真言宗では、伝法灌頂を受け阿闍梨位を得て、はじめて正式な僧侶と認められる。
概要
日本密教では、四度加行(しどけぎょう)という密教の修行を終えた人のみが受けられる。正しくは金胎両部伝法灌頂(こんたいでりょうぶ・でんぽうかんぢょう)という。ここで「金・胎」とは、中期密教の宇宙的世界観を表す金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)を意味する。(Wikipedia)
この他にも、私がいつもお薦め(笑)している「密教僧 秋月慈童の秘儀」にもありますが、真言や印は、阿闍梨の位を得て、師匠から頂かないと使えないのです。
(マンガの中では、ちょっと霊感の強い女性が、印を真言を真似てタヌキに憑かれるというエピソードが紹介されています)
例えば、お坊さんが何かご祈祷する場合は、あちらと太いコードで結ばれているので、仏様の力を使えるわけです。
素人が真似をすると、細いコードでしか繋がっていないので、自分の命を消耗することになります。
ちなみに、僧侶の修行を積んでいない人が印を結んだり真言を唱えたりすると、タヌキではないですが、妙なものと繋がってしまう可能性もあるそうです。
なんとなく渦状波にもそんなところがあるような気がします。
★長くなりましたが「何故、渦状波の真似をしても何も起こらないのか?」ということです。
ちなみに、昔、渦状波を乱用している人(今はご縁がありません)がいて、その人が、狐憑き状態になっているところを見たことがあります。
何度か書いていますが、本当に狐憑きのような状態です。相当ショッキングです。
渦状波をやっていてではなく、普通の操体をやっていて、です。
この前外付けハードディスクの整理をしていたら、古い動画が出てきまして、見ちゃいました。。。
後述しますが、乱用して「何か」と、繋がってしまったのかもしれません。
Y流のS先生が近くにおり、「あ、これは狐憑きだね」とおっしゃっていましたっけ。。
★ちなみに、今までも操者が「快」の波動に耐えきれず(?)というか「快」をコントロールできないケースもありました。私は幸いにも、昔からコントロールできるので、コントロール法を受講生に伝えたりしています。
★今現在は(ここ半年)、渦状波をやる場合の「操者のスタンス」というものがしっかり確立されてきたので、快で暴走したり狐憑きのようになる人はいません。
渦状波も20数年の歴史の中で、体系が固まってきたようです。
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- 作者: 永久保貴一,秋月慈童(語り)
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/09/07
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