操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「体育・スポーツにおける多様な性のありかた」講習会

最初に宣言しておきます。

私はAlly(アライ)です。

LGBTを理解し、支援する人のことです。
TEI-ZAN操体医科学研究所は、この立場を取ります。

 

私が取得した時は「文科省大臣公認スポーツ指導者」だったのですが、今は「日本スポーツ協会公認スポーツ指導者」になっている、いわゆる「スポーツプログラマー」を持っています。運動指導ができるというものです。

 

今回、資格更新の研修に行って来ました。それが標題の講習です。

 

私の周囲にも、結婚して子供も大きくなったけれど、離婚してから、自分がセクシャル・マイノリティであることに気づいたという方、社会的地位もあり、なおかつカミングアウトしている方など、わりと周囲にいます。また、今回下山田さんが、女子サッカー界の事情を話してくれましたが、10年間女子校にいたもので、いわゆる「メンズ」的な生徒がいるのも全くふつ〜でした(女子校あるある)。

 

また、日本は江戸時代までは男色文化が盛んでしたし、明治になってもそういうのは盛んでしたし、橋本敬三先生の若き日の小説(小さき心)にも

 

米澤と云ふ所はいやな風習のある所でその頃美少年であった自分はあすこの中学校などに入ると云ふ事はなにか恐ろしい事に出合ふ様に思はれたからでもあった。

 

 

という一節があります(一度実行委員ブログで紹介しましたっけ)。

いやな風習というのは、上級生が、かわいい下級生を「お稚児さん」にするということです。要は「自分は美少年だから、米沢の学校に行ったりしたら、イヤだなあ」と言っているということです。森鴎外ヰタ・セクスアリス』にも出てきます。

 

元祖腐女子だった(笑)私は「おっ!橋本先生ったら」と感心したものでした。

 

 

奇しくも12月21日、新国立競技場がオープンの日です(なんで外苑前がこんなに混んでるのかと思ったら、このためだったのです)。

 

会場の「オリンピックスクエア」は、新国立競技場の隣、日本青年館の隣です。

 

 

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新国立競技場を、オリンピックスクエアの14階から望む

 

基礎知識の提供や、最新の情報(組織的な良い対応の紹介など)がありましたが、講師の先生が言っていました。

確かに世の中に、LGBTの方はいるけれど、ステレオタイプというか、そういう人は、マツコ・デラックスみたいな格好をしているとか、ドラァグ・クイーンのような格好をしているとか、そんな思いこみがあるかもしれないけれど、LGBTの人達は、普通の人達で、あなたの周囲にもいる可能性があり、正しい知識を得ておかないと、迷惑をかけたりする、ということです。

 

少し前に、一橋大の学生が同級生にアウティング(暴露)され、その後自死してしまったという事件がありましたよね。

美輪昭宏さんのコンサートでは、美輪さんが体験した、知人の男性の自死の話を聞いたこともあります。

 

逆に言えば、昨年の「ボヘミアン・ラプソディー」の大ヒット、エルトン・ジョン(エルトンは男性パートナーと結婚しています)の「ロケット・マン」、映画「イブ・サンローラン」など、才能ある人達の話が語られるようになってきたというのは、時代が進んできたのかも、というか、日本が遅すぎたんだけど、オリンピック前になって、慌ててるという感じもします。

 

個人的な心配ですが、オリンピック選手って、結構タトゥ入れてますよね。

あの場合日本の「おもてなし」はどうするんでしょう。温泉なんかどうするんでしょ。
タトゥはダメ!とか言ったら、多分問題になると思うんですが。

 

一方、私が何度か書いている「アナ雪」ですが、あの「 Let it go 」は、まさに「これから大変だけど、もう自分を偽らない。これがありのままの私です」という意味(ありのままの私を愛して〜、みたいな歌ではない)なんですよね。

これは、まさに、これから大変だけど、大丈夫。私は自分を偽らないで生きると宣言する、一種のカミングアウトの歌なんですよ。

これがヒットしたということは、やはり歌に込められたメッセージ性が、多くの人の心に響いたのではないでしょうか。

 

一方、ディスカッションなどの発表を聞いていると、大変申しわけないのですが、年配の男性の方々の発言は、ちょっと違うなという感じがしました。

私の偏見だったらすいません、なのですが「ホモフォビア」(同性愛嫌悪)っぽいオジサマが結構いたように思えます。何でわかるかって?なんだかわかるんですよね〜。

 

中には「LGBTの子は特別視しない」と言った方もいましたが「えっ、そりゃそうだけど、少しは配慮しないと」と焦ったところ、私の横にいた男性は「特別視しないけど、配慮はしなきゃダメですよ」と、補足してくれて安心しました。

 

というわけで、講習は無事に終わりました。

帰り際、今回当事者として登壇してくれた下山田志帆さんに挨拶したところ、男前な挨拶が返ってきましたっけ。


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夜の新国立競技場。

 

多様性は、「からだ」にもあてはまります。

きめつけちゃいけないんだな、と思いました。