操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

至高の妄想。20世紀の終わりに

東京操体フォーラム相談役であり、操体の先輩でもある、巻上公一さんが、先月末に詩集を上梓されました。

なんと、オビは谷川俊太郎さんで、付録の小冊子は町田康さんという豪華さです。

また、実際に本を手に取ってわかったのですが、文字が浮き出て見えるような字体で印刷されています。表紙の「至高の妄想」という字も、実物を見ると、青く浮き上がって見える上に、とても手触りの良い紙です。贅沢でいいですね。

 

1月19日、操体法東京研究会の定例講習を終えてから、三浦先生とフォーラム実行委員の寺本君と私は、渋谷の「公園通りクラシックス」へ向かいました。

 

この詩集を手に入れるのも目的ですが、今日は「「いにしえと未来が夕闇に溶ける瞬間(とき)」 アルタイ、キルギスへの招待状」ということで、巻上公一さんと佐藤正治さんによる「アルジャンスー(泉という意味だそうです)」」というユニットに、琵琶の久保田 晶子さん、コムズというキルギスの楽器を弾くカリマンさんが加わってという、ライブです。

アルジャンスー
ヒカシューのふたり、巻上公一佐藤正治による即興演奏を主体にしたデュオ。
アルタイの歌手ボロット・バイルシェフとの共演の中から生まれたユニットで、
シベリア各地の諸民族との交流も行っている。
多種類の楽器による自由な演奏スタイルは、タイガの森の多様性を映す。
アルジャンスーとはアルタイ語で「泉」を意味している。
まさに、こんこんと湧く泉のような未来の民族音楽をテーマにしている。

 

私はカリマンさんのコムズは一度聞いた事があります。

最初はカリマンさんと久保田さんの共演。コムズというのは「曲弾き」みたいなことをやります。弾むような曲でした。

次は久保田さんと佐藤さんによるセッションでした。演目は「敦盛」。琵琶の音の後ろに、佐藤さんの不思議な打楽器の音が響き、二つの音が相まって迫力でした。

それから巻上さんのテルミンと佐藤さんのドラム(打楽器)によるインプロ。

 

 

私は公言?している通り、メタル好きではありますが、日本のミュージシャンのライブと言えば、巻上さんと佐藤さんのライブを一番観ています。

 

「耳が離せない」と言えばいいのでしょうか。

 

この二人が演奏すると、声(宇宙語??)とかテルミンとか、シンセドラムとか色々な音が混ざりあって「なんだかこわいもの聞きたさ」ではないですが、目と耳が離せなくなります。

 

その後はオールメンバーによるインプロ(即興)。寺本君によると、即興はなかなか大変なのだそうです。

口琴、琵琶(途中でボトルネック奏法登場)、テルミン、トランペット、尺八、ドラム、パーカッション、シンセドラム、これらが出たり入ったりして、なんとも不思議な空間になりました。

 

寺本君が「何か忘れていたものを思い出したような感じ」と言っていましたが、まさにそんな感じでした。

 

そして、「至高の妄想」ですが、付録の町田康さんによる小冊子には「20世紀の終わりに」を、歌うというシーンが出てきます(つまり、覚えていたということ)。

 

私も覚えていました(笑)。

ページをめくると、知っている曲の詩が文字という形で入って来ます。
これはこれで別の形で頭の中で反芻できる感じ。

「詩」をあらためてじっくり読んでみたくなりました。

至高の妄想

至高の妄想

  • 作者:巻上 公一
  • 出版社/メーカー: 書肆山田
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 単行本
 

 

「いにしえと未来が夕闇に溶ける瞬間(とき)」 アルタイ、キルギスへの招待状

koendoriclassics.com

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巻上公一さん、三浦寛先生、私。

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三浦先生、佐藤正治さん、私。