操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体の常識は世間の非常識(1)

普段からマスクはあまりしない私ですが、ある勉強会に参加するのに、マスクの着用が必須ということで、マスクを探しましたが、普通のマスクがない!

 

手に入ったのは、パンクスかメタルかみたいな、黒マスクです(笑)

 

そして、渋谷は学校が休みの中高生で賑わっています(笑)。
そりゃそうですよね。

 

原宿近辺で、黒いボブヘアのゴスロリの女の子を見かけましたが、黒いマスクがとても似合っていました。。。

 

さて、先日個人レッスンを行った際、受講生の方から後で色々質問を頂きました。
メールでお返事を書いていたところ、

 

操体の特徴は沢山あるのですが、一番の特徴(現代医学とはちがうこと)を改めて思い出しました。

 

というのは、我々にとっては「普通」ですが、世間一般にとっては「普通ではない」ことなので、たまに忘れたり抜けたりするんです(当然すぎて)。

 

それを一つご紹介しましょう。

 

胃潰瘍の場合を考えてみましょう。

 

西洋医学は、ウィルヒョウという人が体系づけた「病理学」が基本です。

病気の原因、発生機序の解明や病気の診断を確定するのを目的とする、医学の一分野である。 細胞、組織、臓器の標本を、肉眼や顕微鏡などを用いて検査し、それらが病気に侵されたときにどういった変化を示すかについて研究する学問である。

よく引き合いに出しますが

 

胃潰瘍の原因は、ピロリ菌だから、抗生物質を使って、胃の中のピロリ菌を駆除しましょう」というのが、現代医学のやり方です。

 

操体は、まるっきり逆の考えを持っています。

生きていく上で、自分が責任をもってやるべき「必須責任生活」というものがあります。それは、呼吸、飲食、身体運動、精神活動です(他にも大事なことはありますが、自己責任ということを考えて、この4つを選んだそうです)。

この4つは人に変わってもらえません。
この4つには、それぞれ「ルール」があります。

そのルールを守らないと何が起こるかというと、ボディに歪みが起こります。

歪みが起こっても放置しておくと「何かヘンだなぁ」と、不定愁訴あるいは微症状(病気ではないが、ちょっと調子が悪い)が起こります。

 

なお、医療関係者やスポーツトレーナー系のテストに絶対出る(?)、セリエのストレス学説ですが、

 

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セリエのストレス学説。

 

ストレスの原因はストレッサーと呼ばれ、
その外的刺激の種類から
物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線など)
化学的ストレッサー(酸素、薬物など)
生物的ストレッサー(炎症、感染)
心理的ストレッサー(怒り、不安など)に分類されるが
セリエの説では『ボディーの歪み』はその要因に入っていない

セリエの「ストレス学説」の中には「ボディの歪み」は入っていないのですが、橋本敬三医師は橋本敬三医師は、

『ストレスの警告反応期』に入る前に、運動系の構造と動きに歪みが発生している』と言っています。

 

このような見方も、操体の特徴です。

 

もっと放っておくと「胃が痛いなぁ」ということになり、病院に行くと「あ、胃に潰瘍ができてますね」ということで、病名をもらって、目出度く?胃潰瘍になるわけです。

 

治す時は、操体ではボディの歪みを正します。それに従って、疾患の進行がおさまって行きます。橋本敬三先生は「治療未完、治らないものもある」と書いていますが、ある人がインタビューでこれについて聞いたところ「治る前に死んじゃうから」という答えが返ってきたそうですが。。。

 

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病気になる順番と治る順番。

 

なお、治し方は操体だけではなく、息食動想の基本を用いれば、無限にあると言っています。操体は「生命は快に従う」というセオリーでやっているわけです。

なお、ボディの歪みを正して、二次的に症状疾患を解消するのですから「腰痛に効く操体」とか「膝痛に効く操体」というのは、理論的には、ありません(しかし、我々は、経験値もあるので、ある程度の予測は立てられますので、最適な操法を提供できるわけです)。