操体法大辞典

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趾(あしゆび)の背屈

 操体法の中で、多分一番目か二番目に有名なのが、足関節を背屈させ、足背に介助あるいは抵抗を与え、脱力させるものでしょう。

 

これは、単に足関節を背屈しているとか、つま先をあげているのでは、ありません。

厳密に言えば、趾(あしゆび)の背屈です。

 

私の場合、趾を反らせたあと、被験者の足首の状態によって、足首も軽く背屈するように促します。

 

おっと、その前に、一番最初に、カカトで支点を作っておきます。

橋本敬三先生が「カカト踏んで」とおっしゃっていたのも納得です。

  1. 操者は、被験者にカカトで支点をつくることを指示する(ex. カカトを支点にして)
  2. つま先が、脛にむくように(操者は、導誘して趾が脛に向かうように)
  3. この時、足背に介助を与えても構わないが、ここで
  4. 「カカトをお尻の方に、軽く引くような感じ」(引かせるのではなく、カカトを支点にして、皮膚を使って臀部方向に軽く引くようなイメージ)をさせると、背中が軽く反ってきて、足背に介助補助を与えなくても、全身形態に連動が起こる。
  5. つまり、カカトを支点にし、つま先(指先)が、反るようにしながら、カカトをかるく臀部に引くような感じで、連動を促すと、背中が軽く反ってきて、全身に波及する
  6. ここからの問いかけは、被験者の「慣れ」の度合いによって使い分ける。

 

なお、カカトの下に「肉団子(通称)を入れたり、バリエーションがあります。

 

一つの型の応用です。

 

操法の後の「脱力」いろいろ

  1. 数秒間たわめの間をもって、瞬間脱力(第一分析)。二~三回繰りかえす
  2. 抜きたくなったら抜いて、という指導をする(D1')。回数の要求は、はからだにききわける
  3. きもちのよさがききわけられたら、第二分析に移行する。回数の要求はからだにききわける

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