操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体実践者はどんなセルフケアをしているか

操体関係の本でも、セルフケアの本は何冊か出ています。

という私も書いているのですが、なにせ20年前に書いたものです。

著者の私が言うのも何ですが、

「今は、もうちょっと違うことをやってます」

というのが、正確なところです。

 

というのは、私自身「楽な方に動かして、瞬間急速脱力」は、やっていません。
瞬間急速脱力しなくても、よい方法があるからです。

 

操体の動診で有名なもので、仰臥膝二分の一屈曲位での、膝の左右傾倒(いわゆる、膝倒し)があります。

 

何度か書いていますが、あれを一人でやっても、介助補助(つまり、運動充実感)がないので、感覚のききわけがしにくいんですね。

かといって、膝を倒す方にクッションなどをかますのも、イマイチです。

 

そういう問題は、既に解決できているんです。

(本にも載ってます)

 

さて、標題に戻りますが、操体実践者はどんなセルフケアをしているのでしょう。

って、私の場合です。

セルフケアの前提として、たまには「人からメンテしてもらう」ということがあります。

 

他の方からメンテナンスしてもらう、委ねることも、大事だからです。

 

誰かに「足趾の操法®」をやってもらう、なんていうのは極楽です。「左脳とばし」なんてやってもらうと、極楽の二乗です。。。

 

ごくたま~にですが「操体は自力自療だから、他の人にやってもらってもいいのか」ということを言う方もいますが、いいんです。

自力自療というのは、突き詰めれば「本人にしかわからない感覚をききわけ、味わう」ことなのですから、他の人にやって頂いて、その「感覚をききわけ、味わう」のも、立派な自力自療です。


全部自分で体を動かさないといけない、というのではありません。また、四肢を動かすだけが操体ではありません。

 

そしてセルフケアですが、ここ数年、第五分析が誕生してから、操体のセルフケアが、とてもシンプルになりました。

 

ちなみに「操体ってどんなところがイヤですか」という質問で、常に上位にくるのは

「いちいち感覚を聞かれるのがウザイ」

「(どっちがきもちいいか)分からないので聞かれるのがウザイ」

(そもそも、どちらがきもちいいか、という質問自体が間違っています。この場合は、どちらが楽ですか、とか、やりやすいですか、と聞かないといけません。

 

ということです。

特に、気持ちよくもなんともないのに、どっちが気持ちいいかとか、しつこく聞かれるのは、私だってイヤです(笑)。

あ~、長くなりました。


師匠である三浦先生が、公にしていないので、私がここで具体的に書くことはできませんが、いちいち「細かい問いかけ」をする必要がなくなった、ということです。

 

あ、セルフケアでしたね。

 

例をあげると、「般若身経」の第五分析版などはよくやります。

 

また、我々は「連動」をマスターしているので、変な話、指一本動かしても、全身の連動を表現することができます。つまり、指一本動かしても「快」の問いかけができるのです。これは特殊技能でもなんでもなく、連動と、感覚のききわけの練習を積めば、体感することができます。

 

なお、個人的にやっていることですが、銭湯(広い)に行って、よく温まるのもセルフケアの一つかなと思います。ヒートショックプロティン入浴法です(冬場に暖かいところから急に寒いところに行って起こる、ヒートショック、とは違うので注意してくださいね)。

 

また、私はよく銭湯の湯船の中で、操体法のセルフケアをやります。知ってる人は知っていると思いますが「手羽先」とか、腰掛位で側屈などです。無理しない、欲張らない、限界までやらない、そしてこれは大事ですが、周囲の人に迷惑をかけないということを守ればいいのです。

 

※無理しない、欲張らない、限界までやらない。これ、実は注意しないとやりすぎたりすることがあります。

 

極論を言えば、銭湯の湯船の中で、人に迷惑をかけない程度に軽くストレッチをしたり、伸びたりして「あ~あ、きもちいいなぁ」というのでもいいということなんです。