操体法の有名?な操法に「仰臥膝二分の一屈曲位で、足関節を背屈させて脱力する」というものがあります。
「つま先上げ」と言っている場合もありますが、あれは「つま先を上げているのではない」ので、私はそうは言いません。
正確には「趾(あしゆび)の背屈」と言ったらいいんでしょうか。しかし、昔からの伝統?で「足関節の背屈」と言うことが多いです。
これは、何をやっているのかというと、膝裏(しつか)の圧痛硬結を除去してるんですね。
膝の裏には「委中」「委陽」という、腰痛の特効穴があります。
鍼灸師の方などに「膝の裏を触診します」というと「委中か委陽ですか?」と聞かれますが、かならずしもそうではありません。それ以外の場所にも圧痛があったりします。
まあ、膝の裏をゆるめているのだから、委中、委陽にも作用しているのでしょうね。
しかし、単に足首を背屈しただけとか、つま先を上げただけでは、ダメです。
委中まで、いや、全身が「連動」する必要があるんです。
つま先を上げておろすだけで、腰痛が消えた!というのならば、世界中の誰もがやってると思うんですが、そうじゃないということは、やっぱり「つま先を上げておろす」だけでは不足があるということです。
その「不足」のテクニックをしっているのが、我々操体のプロなんです。
★Q★ 何故、足関節の背屈、あるいは趾の背屈によって、腰痛が改善するのか?
★A★ 膝の裏は「ひかがみ」(ひざかがみ)と言って、全身の歪みが鏡のように反映されるところ。また、委中という腰痛に効く経穴もある。ここをゆるめ、圧痛硬結を除去することによって、ボディの歪みを正し、二次的に症状疾患にアプローチする。また、委中、委陽などの、腰痛に効果のあるツボを狙うこともできる
みたいな感じでしょう。
しかし、しか~し、
ぎっくり腰でいらっしゃる方、あるいは「ぎっくりしちゃったから来て下さい」というような、急性期の場合、
仰臥膝二分の一屈曲位がとれないことがあります。
こういう時は「一番安楽なポジション」をとってもらいます。