続きです。
私(畠山裕美)の場合はどうするか、です。
私の場合ですが「足趾の操法」を用います。
ぎっくり腰をやる前に、診せていただいている方であれば「あれ?いつもと違う」ということが、はっきりわかります。
趾(あしゆび)や、付け根のあたりというのは「情報の宝庫」です。
我々は、その情報を「指先」でモニターしながら施術を行っていくのですが「そこの一点に触れられると、腰の痛いところに響く!」ようなところや「趾をまわすと、何だかカクカクひっかかる」とか「ピアノ線のような細い線が指に触れる」などのようなことがあります(他にももっとありますが)。
なお、これらは「重箱の隅をつつくような」細かい触診ですが、これはほぼ「職人の仕事」のような気がします。
何で足にさわって腰痛が解消するの??という話しですね。
(操体あるあるですが、鍼灸なども、患部から離れたところの経穴に鍼を打ったりお灸をすえたりします)
これらの「触診」が、糸口になることが多いです。
ここからは、動診を使うなり、皮膚へのアプローチを使うなり、息診息法を使うなり、第五分析を使うなり、操者によって違うでしょう。
何度か書いていることですが、洋書で橋本敬三先生の「万病」を中古で買った時、「肩の痛みは足の操作から」という記述のところに、私の前の持ち主が、赤鉛筆で「?」をつけていました。
正確に言えば「肩の痛みは、足の収縮(contrantion in legs)とあるので、おそらくは、足の長さの左右差や、歪みを指しているのでしょう。
「50歳以上の人の肩の痛みは、足の長さの不揃いから起こっている(片足が収縮して短くなったりしている)。最初に操体法で、下肢の施術を行ってから、肩の操法を行う」
ざっくり言うと、この赤ペンで線を引いた人は「なんで50肩の理由が足なの?」「なんで関係ない足の治療からやるの?」と思ったのでしょう。
私も、操体のセオリーを知らなかったら「?」だったと思います。
なお、日本語を引用します。英訳とはちょっとニュアンスが違いますが、英語圏向けに訳したのかもしれません。
なお、足と足首ではかなり違いますよね。
同じ五十肩でも足に変化が出ている五十肩と、足に出ない五十肩とがあります。ほとんどのばあいは足に出るので、足首を動かすことによっても治ります。ところがたまに足に出ない五十肩があり、これは上体の歪みだけが影響しているので、足を動かしても治りません。
どこにいちばん影響が出ているのか、それにしたがってからだを動かすようにします。五十肩の治療がうまくできればベテランといえます。土台になっている足からしらべてせめていくようにすることが大切。最初から患部にかかると失敗します。