操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

手首と肘の痛みと操体。

こんにちは。畠山@TEI-ZAN操体医科学研究所です。

 

早いもので、一月もそろそろ中旬です。


花粉症的なクシャミが出ることもあります。

 

タイトルの「手首の痛みと操体」ですが、橋本敬三先生の本の中で「中西太選手の手首」に関する記事が紹介されています。 『生体の歪みを正す』199ページ

 

その昔、中西さんという野球選手がいて、手首が不調になり、色々な治療を受けてもダメだったのが、接骨医が脱臼を調整したら、コキンと音がして。。という話です。

○大病院の医者は、脱臼だということが分からなかったのです。

 

いわゆる「テニス肘」というのがあります。

テニス肘の他にも手首や親指の付け根が痛むことがあります。

 

そんな時、操体ではどうするか?

 

まず、全身形態を観察するのは当然ですが、運動分析も行います。

私の場合、日常動作のチェックがメインです。

 

ちなみに、手の骨を考えると、肩から肘までは、一本の太い骨。

肘から下は、親指側が橈骨(とうこつ)、小指側が尺骨(しゃっこつ)の二本に分かれており、そこから手首の手根骨(たくさんありますが、まとめて手根骨、と言います)につながり、指の骨、とつながっていきます。

 

面白いのは、足の骨も、大腿部の骨は一本ですが、膝から下は、脛骨と腓骨と、二本に分かれていて、足首の骨につながります。

 

手首が痛いとか、肘が痛いという場合、どこかにぶつけたとか転んだりとか、外的なものでない場合、疑うのは「日常生活におけるからだの使い方の間違い」です。

 

手首が痛いとか、親指の付け根が痛いという場合(美容師さんで、腱鞘炎という場合も同じ)、ほぼ100パーセント「親指」を使いすぎているのです。

 

簡単に言うと、

本来人間の手は、親指側よりも、小指側を使うのが自然なのです。

しかし、何らかの状況で、親指や、親指側に負担をかけ続けると、少しずつ故障が起こってきます。これが続くと、親指の付け根が痛んだり、肘から下の橈骨と尺骨の位置にねじれが起こるので、最終的には肘が痛むのです。

 

テニス肘の人に聞いてみると、ラケットをついつい親指側で持っていたということが殆どです。

 

その辺り、全身形態を調整し「こんな動きはちょっと控えてくださいね」と、気をつける動作を覚えていただけば、大抵は改善します。

★これが「自分でできる」という範囲にあたります。

大抵は「日常動作の修正」なので、大丈夫です。

★むしろ最初は「自分でできる操体法を教えてほしい」と指導しても、間違ったやり方をしていることが多々あるので「日常動作の修正」から行きます。

 

なお、この場合、大切なのは「二度目三度目のチェック」です。

 

この前も「こうやってね」というレクチャーの1ヶ月後「手首が痛い」とおっしゃる方がいたので、再度レクチャーを確認してみたら、あらら、逆のことをなさっていた!ということがありました。

 

逆のことをやっていたので、橈骨と尺骨がいつもねじれているような感じがあったそうです。

 

チェックしてよかった。。

 

なお、操体の場合、いきなり手首に触って矯正したりはしません。

遠くからアプローチします。

 

そして、遠方から(例えば足とか)アプローチしていると、突然上の方から「コキン」という音がして

「あれ?入りました?」

「入りました!」

 

みたいなこともあります。

 

手首がヘン、親指の付け根が痛む、肘の調子がおかしい、肩も?という場合、よく「老化」とか言われることもありますが、まずは、日常動作を確認することが大事です。

 

逆に言えば、日常動作が赤点だった場合、それを修正しないと、また同じことを繰り返すということになります。

 

操体操体法は、1998年から操体専門の、TEI-ZAN操体医科学研究所へどうぞ。

師匠(操体歴50数年)には及びませんが、操体は1994年から学んでいます。

www.teizan.com