こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。
先程、靴を履き替えたところ、何だかひんやり??
足の裏を見ると、やってました。靴下に穴ぼこがあいてました。
自分で「やったね」とほめてあげたいのは「母趾球」のところに穴があいていたということ。つまり、母趾球をよく使ってたということです。
なお「靴下の穴」で思い出しましたが、仙台の方に聞いてみると(私は4人くらいに聞いた)「穴のあいた靴下」を「おはよう靴下」というんだそうです。
足の指が「おはよう!」って顔出すから??
母趾球は、操体においては、非常に大切なポイントです。
からだに軸を立てる時に必要だからです(この辺りは、第五分析の話になります)。
橋本敬三先生の本に「足心」という記載があります。「万病」の134ページに「つちふまずの前のほう、親指の付け根のちょっと内側のへこむところ」と書いてあります。
「足心」をつちふまずと書いてあるものもありますが、我々は橋本先生の説に従うことにしましょう。
そして、ここで示している場所は、母趾球のキワであるとも言えます。
つまり、橋本敬三先生がおっしゃっているのは、もろつちふまずではなく、もう少し前方の、母趾球のキワあたりになります。
これは、ほぼ母趾球と言っても良いでしょう。
操体で言うところの「手は小指、足は親指を運動力点作用点にする」という「足は親指」の「親指」っていうのは、もろ親指というよりは、↑このポイントだと言って良いでしょう。
図で1の縁のキワあたり。
某武術などは、母趾球を細かくいくつものエリアに分けて、そこで体をあやつるそうです。
さて、長くなりましたが、
O脚の方の足を観察します。
よく、O脚は股関節がどうのこうの、とか言いますが、その前に、立って頂いて、体重が足底のどこにかかるか、ということをチェックすると、間違いなく足底の小指側です。
私がよくクライアントに説明する際に使う話がありますので、聞いて下さいね。
- 人間の手って、肩から肘までは一本の骨で、肘から下、手首までは橈骨と尺骨という二本の骨になっています
- 本来「手は小指」というように、手は小指側を運動力点作用点として使うのですが、親指をメインに使ってしまうと、橈骨と尺骨がいわゆる「ねじれ」をおこします。
- そのねじれが、テニス肘の原因になります
- 足も同じで、股関節から膝までは骨が一本で、膝から下は、脛骨と腓骨という二本の骨になっていて、足首に繋がっています。
- 足も「足は親指」というように、親指(正確には母趾球)を運動力点作用点とすべきですが、小指側を運動力点作用点にすると、脛骨と腓骨が「ねじれ」をおこし、それが膝の痛みに繋がってきます
つまり、手は小指側側(こゆびそくがわ)、足は母趾球側を運動力点作用点にしないと、そこに連なる二本の骨(手なら尺骨と橈骨、足なら脛骨と腓骨)が、いわゆるねじれ現象を起こすので、テニス肘や膝の痛みが起こるというわけです。
私もテニスエルボーの方はかなり診ましたが、ラケットを持つときに、ついつい親指で力んでしまうという共通点はかなりありました。
腱鞘炎などでも、例えば美容師さんの腱鞘炎などは、ハサミを親指でぎゅっと握る癖があったとか、そういうことが多いです。
★操体というのは「からだの使い方、動かし方を知ることによって、疲れにくく、故障しにくく、運動効率がよく、なおかつ動作が美しいことを目指す」という一面もあるのです。単なる治療法ではないんですよ。元は「未病医学」ですから。。
以前、ある女性三人(親と姉妹)の立ち姿を見て「おおっ」と思ったことがあります。
親子で姉妹なので、体型が似ているのは勿論なんですが、三人ともぺたんこの靴を履いているのですが、三人ともつま先が外側を向いている(90度くらい)のです。
そして、傍目にみても、体重は小指側に乗っているのです。
★ヒールが低いとか、スニーカーであっても、つま先が開いていて、足底の小指側に体重がかかっていると、膝に来ます。
これは、今から気をつけないと、中年以降に膝に問題が起こります。
パンプスを履いて、ゴリラっぽくなってしまう時も、ほぼ100パーセント小指側に体重がかかっています。
足の小指側に体重がかかるのをどうやって阻止、修正すれば良いか。
それは、操体法で調整すれば、自然と整ってきます。
★セルフメンテナンスもできます。
そんな操体のセルフケアについて、秋の東京操体フォーラムで、実行委員全員が語ります。
2022年秋季東京操体フォーラム | Tokyo Sotai Forum
全身のバランスを整えることによって、部分のバランスも整うのです。
膝だけを狙ったり、股関節だけを狙ったり、足首だけを狙ったりはしません。