操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体で「快をききわけ、味わう」には。

操体でセルフメンテするなら、やはり一度専門家にみてもらうことをおすすめします。私とか(笑)。

 

というのは、私のところ

TEI-ZAN操体医科学研究所

https://www.teizan.com/

には

1.本を読んでもわからない

2.気持ちよさっていうけどわからない

3.動画を見てもわからない

 

という方が、多数いらっしゃるからです。

1ですが、ポピュラーな2冊(万病と実際)は、イラストがアバウトすぎるのと、一番皆さんが知りたい、スピードや力加減、タイミングが載っていません。

2ですが「万病・実際・ひとり」など、農文協から出ている操体の書籍は、創始者橋本敬三が「きもちのよさでよくなる」と、明言する以前のもので、メインは「楽か辛いか」「痛いか痛くないか」「痛みから逃げる」という、第一分析がメインです。

しかし読者は「操体って快」という目的をお持ちのことが多いのです。

楽か辛いかを比較対照して楽な動きを選択する操法なのですから

 

ここで「快」とか「きもちのよさ」を、期待しても、得られるわけがありません、という話です。

 

そもそも第一分析は「快」に関わっていないんですから。

万が一、きもちのよさに行っちゃったら、第二分析に切り替えて、対処するのみです。

 

また、きもちよさ、快というのは、その人にしかわからない「感覚」です。

 

なお橋本敬三先生も「この動きは大抵の人は気持ちいいっていうよね」という動診について書いている箇所もありますが、特筆すべきは、「きもちいいうごきをすればいい」とおっしゃっているだけで、

「どちらが気持ちいいですか」という、きもちのよさ、つまり快の二者択一をしなさいとはおっしゃっていないのです。

 

これを勘違いして「どちらかきもちいいですか」という、自分が聞かれたら答えられないような、あるいは自分がわかるからと言って、自分の感覚を被験者に押し付けるような指導者がいるので

 

「どっちが気持いい???わからない。。私には操体を受ける才能がないのか?」と、被験者を落ち込ませてしまうのです。

 

それでも「やっぱり操体を受けて、快を味わってみたい」と、私のところにいらっしゃるわけです(ありがたや)。

 

ここでは「操体臨床で味わう快」についてお話しします。橋本敬三は「人に迷惑をかけないこと」とおっしゃっています。

 

いくら自分が「快」でも、夜中に爆音で音楽をかけたり歌ったり、人を傷つけたりするのは、当たり前ですが、ダメです。

 

なお、私は数人知っていますが、身体能力がめちゃくちゃ高い人が、操体指導者に向いているかと言えば、そうでもありません。

 

そういう方は「快」をキャッチする能力が、生まれつき高いのです。

しかし、からだに不調を抱えている方は、そもそもその能力が弱っていることがほとんどです。

このような場合

指導者「この動き、気持ちいいでしょ(自分はわかる)??」

被験者「わかりません」

と、なったりします。能力が高い人は(特に生まれつきとか)、そうではない人のことが、自分は簡単にできるので、理解できないのです。

 

話が飛びましたが、実はこれから「操体の本を読んでもわからなかった」という方の個人レッスンが入っています。

 

手順を踏んで、「楽(な動き)」と「快(感覚)」の違いを理解していただき、快を味わうコツを覚えていただければ大丈夫です。

 

 

また、自力自動で行う操体法は、ただ動けばいいというものではありません。ポイントとして、ポジション、支点、意識、呼吸などの「押さえるところ」を押さえることが必須です。

 

例えば、関節が柔らかい人を仰臥膝二分の一屈曲位にとらせ、ただ単に膝を左右に倒せと指示した場合、柔らかいので膝が左右にパタパタ倒れ、楽も気持ちよさもない(つまり、ニュートラルな状態)ことがあります。

知り合いの先生が、新体操の選手とお相撲さんに操体を行った時、こうなって焦ったと聞いたことがあります。

 

こういう時どうするか?

 

ちゃんと指導するコツがあるのです。

 

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