操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「揺腕法」の教室に行って来ました。

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

昨日、ついに「揺腕法」の教室に行って来ました。

 

操体にも色々セルフケアの方法はあるのですが、からだの基本をつくるための鍛錬で、ウォーキングとか以外のものは何かないか、と探していたこともあったのです。

 

座ってできる、というのもなんだかとっつきやすいですよね。

 

インストラクターの下村さんは「ボディワーク」関係でご縁があり、また、私の猫友でもあります。東京操体フォーラムにも何度か来て頂いたことがあります。

 

揺腕法は、手に小笏というアイスの棒のような平らな棒を挟んでやります。

この小笏を挟むのと挟まないのとでは、感覚が変わってきます。

挟むと、方向性が直観的に分かります。

 

やってみてわかったのは「左脳の働きが止まる」ということです。

つまり「ぐるぐる思考」に行きにくいということです。

 

※ぐるぐる思考:過去の後悔やまだ来ていない未来に対しての不安、人からどう見られているか気になって仕方ない、など「左脳さん」の想念のこと。

「左脳さん、右脳さん。」に詳しいです。

 

スワイショウとどう違うのか、というと、スワイショウは手になにも持たずにフリースタイルで振ります。これはこれで結構たのしいのですが、小笏を持つと、フリースタイルというよりも、方向性が生まれます。

 

呼吸に集中すると、※※左脳が吹っ飛びますが、

 

方向性に集中しても、左脳が吹っ飛ぶ感じがあります。つまり「腕を動かしている」という「今」に集中できるということです。

 

禅にも通じますね【ナゾの老師は「刀禅」というのをやってらっしゃるようなので、なるほどです】。

 

※※左脳とばし:足趾の操法と渦状波を同時に行った場合「快」の極みで意識が吹っ飛ぶことがあります。我々は「快」(伸びてキモチイイとかそのレベルの快ではなく、意識が飛ぶ位の快)を強制的に味わってもらうことによって「左脳的思考」を一時的に飛ばして(封印して)、右脳優位の状態にしてから、施術を行うことがあります。

私も経験がありますが、本当にぶっ飛ぶ感じになります。

 

不安感の解消や、気持ちを整えるのにもいいかもしれません。

 

「腕震(わんしん)」というのもやりました。

腕の軸を通す、と本には書いてあります。

中指を軸にして手をできるだけ早く回内回外させる、とあります。

 

例えば肩が凝っていたら、その震動を通すことによって、肩こりの解消などにもなると思いますが、考えてみると、これを足の指でやってるのが「趾廻し」なんですね。

足の指は自分で動かすの大変なので、操者が操るわけですが、足の指を操作しながら、肩を狙うとか腰を狙うとかやってます。

足趾の操法は自分ではできませんが(これが残念)、腕震は自分でもできます。

 

出ました「通す」

これ、うち(東京操体フォーラム)でもよく使う言葉なんですが、「動かす」じゃなくて「通す」なんですよね。

 

なお、「鼻を起点にして「揺腕してる感じ」をイメージすると、鼻が通りました(風邪っぴきだった)。

 

勿論振っているのは腕ですが、例えばは百会から振るとか、鼻から振るとか、へそから振るとか、肘から振るとか、色々試してみましたが、感覚の違いがあります。

 

複数(二名と三名)で、長い竹尺をもって同時に揺腕をやりましたが、これも不思議な感覚というか、一人でやるよりも大人数でやった方が体得が早い、ということがわかりました。

 

そして、普段とは違うからだの使い方をするのもいいよね、と思いました。

 

人間、どうしても自分の専門分野(とくに我々のような手技療法家)のからだの使い方、動かし方にこだわりがちですが、たまに「違う方向の使い方」をするのは勉強になります。

 

そして肩甲骨周りがゆるみます。

 

というわけで、東京の教室のご紹介です。

 

www.yowan.jp

 

お教室に参加する前に読んでおくとGoodです。

 

また「座骨を意識して座る」という表現が文中にありました。

 

ナゾの老師は、中国武術などもなさっていたそうなので、これは「腰を反らせる」ということではない、と思っていましたが、実際に下村さんに聞いてみて「腰を反らせるのではない」ことが確認できました。

 

というのは、ボディワーク系においては、骨盤がどうなっているか、というのがかなり大事だからなんです。

 

ちなみに、これもたまに書きますが、ジャッキー・チェンの映画とか見ていると、腰を深く落として構えるのがあります。

あれ、ちょっと見では、腰が反っているように見えるかもしれませんが、腰は反らしていないのです。

中国武術系をはじめ、日本の古典芸能でも、腰は反らさないのが基本です。

 

ただ、最近整形やその辺りの世界で「骨盤を立てる=腰を反らせる」という理解をしている人がいるのです。

 

武術界隈では「座骨を立てる、骨盤を立てる」イコール腰を反らすんじゃないぞ、というのは常識の範囲内だと思っていたんですが、最近どうも「骨盤を立てる=腰を反らせる」といるう理解の人が多いような気がするんです。

 

ちなみに、私が骨盤の状態にうるさいのは(笑)、操体の指導者になりたい、という場合、腰が反っていると、上達が遅いからです。

 

腰が反っている状態で、いくら操法の練習をしても、ということなんです。

ただ、これも反りを修正すると、良くなってきます。


このあたりは、ピアニストの「まむし指」と同じくらいだと思ってください。

 

なので、入門時に腰が反っている(骨盤の後弯曲@恥骨を基点)場合は、私が基礎訓練をします。

 

「含胸抜背」のトレーニングです。

 

一ヶ月か二ヶ月くらいすれば、変わってきます。

 

毎度お馴染みの「骨盤の前弯・後弯」です。