久しぶりに黒川伊保子さんの本を読んだ。
これは、60歳ならずとも20代~80代の方に読んでいただきたいと思う。
黒川さんの言葉は、どの世代の人にとっても優しい。
私が今回お伝えしたいのは、
小脳のパッケージ化 ヒトは、「一連の動作」をするとき、慣れないうちは大脳で考えて動作するが、何度も繰り返して熟練してくると、小脳にパッケージ化されて、ほぼ無意識のうちに自然に流れるように動けるようになる。 ちなみに、小脳は「無意識」を司る器官で、空間認知と身体制御を担当している。
黒川 伊保子. 60歳のトリセツ (扶桑社BOOKS新書) (p.40). 株式会社 扶桑社. Kindle 版.
ここのところだ。
橋本敬三先生の「万病を治せる妙療法」や、操体になじみが深い方ならご存知の
『右手で床のモノを拾う時は、左足を前に出す(左足に体重をかける)」というのがある。
ボディの歪み、つまり様々な愁訴の原因はかなりの割合でこの動作をしていないことにある。
つまり、右手で床のモノを拾う時、右足を出して拾っているのだ。
この指導をすると、おおよそ半数の皆さんは「やろうと思っているんだけど、忘れちゃう」と言う。
そりゃウン十年右足を前に出して右手でかがんで床のものを拾っていれば、習慣化しているに決まってる。
私も最初はモノを拾う時、ついつい右足を前に出して身をかがめ、右手で拾おうとしていたのだが「はっ」と気づいたら、改めてからだを起こし、左足を前に出して動作をやりなおす、というのを繰り返した。
しばらくすると、小脳のパッケージ化が起こり、無意識のうちにできるようになった。
なので、はじめて操体(のセルフケア)とかにトライして、うまくできなくてもそれは普通のことなのだ。
私みたいに30年近くやってる人間は、できて当たり前で、これでヘタクソだったら立つ瀬がない。
練習というのは「小脳のパッケージ化」ということなのだ。
これは、私が度々言っている「Fコードの法則」にも通じる。
ギターのFコードは、最初音が出ない。どんなに力んでもでない。
もう、笑っちゃうくらい出ない
全然出ない。
しかし、ある日何故か力もいれずに「ジャーン」という音が出る。
これは、ギターでFコードと格闘した経験があるならおわかりかと思う。
操体の講習で、よく「操法を一通り(大抵は同じレベルの方と2人一組になって)やっておわり」という話を聞く。
そういう場合は「操法の数はこなしたけど、結局は使えないしよく覚えてない」という話を結構聞く。
そういう問題を考えながら、その方に合ったプログラムを組んでいるのが、「操体ミドル講習」。施術+ベーシック講習がセルフケアなら、こちらは一対一で行う動診操法だ。
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