操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

幽界森娘異聞 (操体法関連以外)

操体医科学研究所には色々な書籍があるのだ。

幽界森娘異聞 (講談社文庫)

幽界森娘異聞 (講談社文庫)


森娘というのは森茉莉森鴎外の長女:作家)のことだ。実は私、森茉莉が高校の頃から好きで著者が買いそびれたという筑摩書房の全集を持っている。父は何故か私に本だけはよく買ってくれた。TBSの旧社屋の前にある書店は確か本代を給与天引き扱いだったので頼むと注文してくれるのだ。
友人のA嬢はその昔、下北沢を歩く森娘を見たという。著者は生きている森娘をみたことがないのだが、森娘が住み、歩いた下北沢を追体験する。
それと同時に、住んでいるマンションで猫を保護したために、猫嫌いの住人と諍いが起き、千葉のS市(佐倉市だろうな)にマンションを買う話が並行して続く。猫の名前が「ルゥルゥ」「モイラ」というと、森茉莉好きなら、にやり、とするだろう。
昔、週刊新潮に『ドッキリチャンネル』というコラムを連載していたが(生憎まだ中野翠編の『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』を読んでいない)、毎週週刊新潮のそこだけ立ち読みしていた気がする。
ベスト・オブ・ドッキリチャンネル (ちくま文庫)

ベスト・オブ・ドッキリチャンネル (ちくま文庫)

私が一番好きなのは、究極のファザコン&娘溺愛小説の『甘い蜜の部屋』なのだが、作者は『さて、今日はモイラをパァパの会社にさらって行くぞ」というような台詞が嫌いだそうだが、私はすきである。個人的な趣味の問題だが。あと、モイラの話し方は桃井かおりに似ているとの情報もこの本書から得た。モイラって、桃井かおりだったんだ・・・。

甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)

甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)

ちなみに『甘い蜜』で私が一番印象に残ったルビ文字が『寵姫』と書いて『おもいもの』と読ませるところ。守安(マリウス:モイラの夫)の会社の社員が
『あれは奥方じゃなくて寵姫(おもいもの)だよ』というシーンだ。

誰かの一生を追って、自分の今の人生に重ねてみるというのもアリか。