操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

橋本敬三医師は「意識を変える名人だった」

という話を何人かの先輩から伺ったことがあります。

 

治療室の入り口に現れた患者さんを「ひとにらみ」したら治った、という都市伝説もありますが(かなり都市伝説です)。

 

まあ、いわゆる嫌煙主義の操体実践者が、「橋本先生は、タバコを吸っていたのではなく、タバコを吸っている患者さんがいたので、吸う振りをしていた。吸い込んではおらず、ふかしていただけだ」と、ウソついてたりしますので。

 

電話で話しただけで「橋本敬三操体を習った」という人もいるくらいですし、

 

赤ん坊の頃に、操体をうけて「習った」というすごい人もいたりします(笑)

 

 

すいません、また都市伝説をほじくり返してしまいました(笑)。

 

私は両親が宮城県気仙沼なもので、動画やテレビ、ラジオなどで聞くことができる橋本敬三先生の「声」を聞くと、「お!東北弁だ」ということで、とても懐かしい感じがします。私の父方の祖父は1900年生まれなので、祖父と数歳しか離れてないわけですよね。

 

「意識を変える」ということについて、最近なんとなくわかってきたのが、多分、無意識に患者さんの呼吸を読まれていたのかな、ということです。

 

「上手い人は口で治す」と言ったモノですが、なんとなく、なんとなく、です。

 

口が上手いといっても、立て板に水、とかアナウンサーの如くという話し方が、果たしてそうなのかというと、そうでもないようです。

 

その辺りが、なんとなくわかってきました。

 

師匠(三浦先生)は、橋本敬三先生と二人で、「お茶っこ」飲みながら火鉢の前に黙って座っていたそうですが、この「沈黙」というのが「間」の取り方に繋がっているのかもしれません。

 

考えてみると、私達はそれほど「沈黙」が苦手ではありません。

 

こういうことが、テクニック以前の問題なんだなと思います。

 

精進精進。

 

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今年お世話になった暦です。

 

 

 

 

 

 

 

やはり習うべし。

私は易をやっていますが、「易経」の勉強と「断易」の勉強のために、学校に通っています。

昭和13年開校という、新大久保にある、日本易道学校です。

 

www.nihon-ekidougakkou.org

 

易は、独学ではほぼ100%壁にぶち当たるからです。

というのは、書籍では、これはこういう意味であるよ、というのは書いてあるのですが、実践的なこと(大抵の本は得卦の説明だけで、之卦の説明などは殆どないように思えます)に欠けているのです。

 

また、本を読んで「乾為天(けんいてん)」(一番最初)あたりまでは一生懸命やるのですが、三番目の水雷屯(すいらいちゅん)辺りで挫折するのが殆どの人が通る道ではないかと思います。

 

学校に通っていると、半ば強制的にやらざるを得ませんので、勉強は続きます。

勉強するのは結局は自分ですが、周囲に同じ目標を持つメンバーがいると、モチベーションが上がりますよね。

 

なお「やってみる」というのも大事です。

やってみて、ダメだと思ったら、潔く止めるのも手です。
中国の昔の「科挙」みたいに、試験で一生を棒に振るという話もあったりしますから。

 

操体の勉強ですが。

昔は「あんパンを食べていてあんこまで食べない残念な人」がいるとおもっていましたが、最近は

「肉まんを食べていて、つゆの染みた皮を食べて満足し、お肉をたべない残念な人」がいるのだなと思います。

 

食べると決めたら、あんこやお肉まで食い尽くしたいものです。

 

12月の視診触診講座

毎月第三日曜の午前中は、視診触診講座です。これは、強制でもなんでもないのですが、内容的には「畠山がプロ向けにやっていたミドル講習」「三浦先生の講習とは被らない実践的操体」がメインです。もっとも、初心者が参加する場合は、視診触診の基礎をやることもあります。

 

元々は「膕(ひかがみ)の触診が怪しいので個人レッスンでお願いします」というリクエストに応えたものですが、肝心のリクエストをした人は今は来ていません(そんなもんです)。

 

今日は、実際に臨床に携わっているメンバーが集まりました。

何か確認したいところや、ポイント的な質問があるかと尋ねたところ、数ヶ月ほど前にやった技法のリクエストあり。

 

オンタイムで貴ノ岩の髄液漏れなんていう話もあり、髄液と言えば頭蓋仙骨系だよね、とか、低髄液圧症候群を思い出しました。

 

★2000年頃は低髄液圧症候群は、医学的に認められていませんでしたが、最近は認められています。私は2000年から2003年位にかけて、低髄液圧症候群の方を何人か診ています。

 

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こちら、CV4(頭蓋仙骨療法、第四脳室圧縮)に、皮膚へのアプローチを加えたものです。20数年前に、日本に頭蓋仙骨療法を紹介した先生から直接習ったモノですが、やはりやっていくちに、手を当てるポイントが少し違っても被験者の感覚は反応が違うことがわかり、微調整しています。

 

本などにもやり方は書いてありますが、結構大雑把です。ミリ単位での接触箇所似ついては記載はありませんし(書くわけないと思いますが)。

 

 

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手を当てる位置については、今回、新たな指針が見つかりました。

数ミリの違いですが、これが大事なんです。

 

 

サンクロンと猫

 

サンクロンと言えば、操体マニア?ならば知っているハズ。

 

知らないという人は覚えておくように(笑)

 

操体法治療室」にも出てきますね。

 

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

 

 

昔放映されたNHKのドキュメントでは、温古堂診療所に、サンクロンのポスターが貼ってあることに気がつくハズです。貼ってあるんですよ。

 

【第3類医薬品】サンクロン 120mL×6

【第3類医薬品】サンクロン 120mL×6

 

 

 また、以前師匠が橋本敬三先生から頂いたというコインのようなものを磨いていたら、サンクロン関係のモノで、どうやら橋本敬三先生がサンクロンを宣伝したお礼のメダル?のようなものでした。

 

と言うわけで、私も結構サンクロン好きです。

 

と、最近、サンクロン、とネットで検索すると「サンクロン 猫」と出てきます。

 

猫の口内炎などにサンクロンを飲ませている人が結構いるんですね。

 

健康のためにもよさそうなので、猫さんたちに、飲ませてみるかな?

 

 

 

東京国際仏教塾 専門課程 曹洞宗 2017年12月2日

12月になり、二回目の修行がやってきました。

今回は「絶対寒いだろう」と、ヒー○テック極暖とかヒート○ックの靴下とか、全身ヒー○テックでフル装備の上、裏フリースの作務衣で参上することに。

 

私事ですが、ねこの真魚(まお)ちゃんが11月25日に去勢手術をしまして、術後の抗生物質でお腹を壊し、胃炎になって、修行の二日前から吐くわご飯は食べないわ元気はないわ、極めつけは赤いモノが混じった液体を吐くわで驚愕し、修行の前日、病院へ連れて行きました。点滴を打って抗生物質と胃酸を押さえる薬を入れたりしました。

 

★お陰様で元気になって、「弾丸小僧」「キングオブ面倒くさい」となり、体重も元にもどりつつあります

 

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★京成線車中からみる我が母校。私のいた頃は高層ビルじゃなかったんですが、今は高層ビルになっています。

 

 

なお、我々が今回修行の場としている「勝胤寺」は、千葉勝胤(戦国武将)が立てたお寺です。亨禄5年(天文元年、1532年)の建立です。

http://www.geocities.jp/sakura_hiking/1_spot/shoin_ji/spot.html

 

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「勝っタネ!くん」のモデルだそうです。

『勝っタネ!くん』の紹介 | 酒々井町ホームページ

 

古い時代の勝胤寺の写真と勝胤について

 

わたくし、知りあいで「千葉一族の末裔」(世が世なら殿様)という人を知っていますが(勿論千葉にお住まい)。。

 

さて、私は早めに着いたのですが、熱心な同門の皆さんは、既に木魚を叩きながら般若心経の練習をしています。

★単に読むのと、木魚と鏧子(けいす)を同時に操るのは、いわば、ドラムを叩きながら歌うようなものだと思って下さい。

 

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鏧子(けいす)ってこれです。

 

午前中の最初はお経を読みます。だんだん慣れてきます。

消災妙吉祥陀羅尼などは前回に比べるとスピードが早くなっています。

 

次は、前回に続いて「修証義」の勉強です。まずは二章三章を皆で読み、

細かく読み解いていきます。

 

お昼は自分で買ってもいいのですが、私自身は「出されたものを食べる」というのが
なんだか修行っぽいので、セブンの「和風幕の内」を頼んでいます。

午後は再び「修証義」。

最後は坐禅です。

先生のお話によると、駒沢大の学生で「坐禅をしたその日は、人の話が良く聞こえました」という人がいたそうです。

なるほど。

 

さて、ざっくりですが、この日の夕方は、先生を囲んで、成田駅前で忘年会がありました。

 

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雰囲気のいい居酒屋での忘年会でした。

 

「そもそもなんで『仏教塾』に入ったのか」

「私なんか、仏教塾のパンフレットが届いた時、母親から『あんた、なんか変な宗教に入ったんじゃないでしょうね』って言われました」

「あるある~」などなど。

 

皆さん、ありがとうございました。

 

私は明日早いので、ワイン一杯とビール一杯にしておきまして、
帰路についたのでありました。

死生学入門(2)

2017年11月24日、秋季東京操体フォーラムの翌日は、鶴見大学生涯学習センター設立20周年記念セミナーである「死生学入門」の二回目です。

 

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二回目の講師は、鶴見大の元学長、木村清孝先生です。「華厳思想」「東アジア仏教」が専門で、天草の出身だそうです。有名な先生ですね。よく響くお声での講義でした。

 

タイトルは「無常のいのちとそれを支えるもの」。

 

今回は、PPTではなく、シンプルな1枚のプリントの資料です。

 

はじめに

  1. いのちの無常
  2. いのちの実相
  3. 何がいのちを支えるのか

おわりに

 

無常、はすなわち「死」をあらわします。

木村先生は、有名な「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」(平家物語)を引用なさいました。

 

そして「確かにそうだな」と思ったのは、現在におけるペットの存在の話です。

家庭で死を迎える人は、少しずつ増えているそうですが、例えば最近の子どもや少年少女にとって、「死」というのは「遠い」存在です。

 

昔は、家で最後を迎える祖父母など、「死」は身近な存在でしたし、葬儀も家でやるのが普通でした。

 

今、それに変わっているのがペットの死なのだそうです。

 

確かにそうかもしれません。育てて、可愛がって、一緒に大きくなって、見送る。

(子どもの場合、世話をするのは結局お母さんになるみたいですが)

 

さて、木村先生の講義の中で、私がメモしたことを書き出してみます。私の個人的なリマインドです。

 

無常=死

ペットの死→身近な死。肉親の死が遠くなり、ペットの死が近くなっている。

「苦」。仏教でいう苦は、自分の思い通りにならないことを言う

 

無常を自己の問題としてみる

縁起的存在としての自己 → 自分のひとかけら。他者としてあらわれた自分

「一中十、十中一。一即十、十即一」(華厳五教章 抄出)★意味は「個と全体は一体的である」「根本的なつながり」「すべてのものの中に私のはたらきがある」

 

煩悩。消すのではなく、コントロールする

有為 つくられたもの(有為、には「役に立つ」などという意味もある)

花。今は花と言えば桜だが、昔は花と言えば梅だった。

 

 

 

 

操体法東京研究会定例講習(途中参加について)

最近「操体法東京研究会の定例講習に参加したいが、来年まで待たないとならないのか」というお問い合わせを受けることがあります。

 

操体法講座開講のご案内 | 操体 三浦寛 人体構造運動力学研究所

 

最近の指導ですが、最初に座学に集中するというよりも、最初から先輩方の動きや作法を間近にみて、受けて、やってみるという実践的な方法に移行してきたように思えます。

 

そして、習得期間が15年前に比べると、ここ二年くらいは「第五分析」の登場で、「ぐぐっと」短縮されたような感じがします。

 

操体法東京研究会の定例講習は、ご希望があれば途中の参加も可能です。

また、視診触診など、手技療法の基礎に自信が無い方は、第三日曜の午前中、畠山による視診触診講座もありますので、ご相談下さい。

 

なお、操体法をはじめ、手技療法というのは「職人技」と同じです。

「早く始めれば、始めるほど、よい」のです。

 

特に、仕事、生業としたいのならば、さらに、です。

 

また、ある程度の年齢を越えたら、習得には時間がかかると思って下さい。職人と同じです。かといって、あきらめないで下さい。慌てて手っ取り早くやろうとせずに、じっくり学んで操体臨床に臨んでいるover60の方もいらっしゃいます。

 

基本的に、年齢を重ねた方で、国家資格を持っていない場合(手技療法は全くのアマチュア)の場合は、

 

  • 操体の講習
  • 視診触診問診法、コミュニケーション
  • (特に男性の場合)触れ方の基礎とマナー(これは非常に大事ですが、男性の方で、アマチュアの方は、全く気がついていません)
  • 足趾の操法

 

これくらいは押さえておけば、スキルは身につきます。

 

「習えば一人前になれる」というわけではなく、「人に触れる仕事の基礎」「コミュニケーション」「保険やリスク管理」「資格」「営業形態」など、色々な問題があります。

 

操体法東京研究会のバックには、一般社団法人日本操体指導者協会があり、操体実践者の地位向上やスキルアップのサポートをしています。困った時、アドバイスが必要な場合などのヘルプもあります。

 

今からでも遅くありません。

 

操体は一生のスキルです。