操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

うらめしや〜 冥土のみやげ展 操体アート部。

東京操体フォーラム実行委員会」には、
自主的サークルとして「芸術部」があります。

 

これは、創始者橋本敬三先生が「医家藝術」という
同人誌に参加していたりということもありますが、

 

臨床もアートである(手を使うし)とかね。

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というわけで、以前から前売り券を買っておいた

東京新聞:うらめしや〜 冥途のみやげ展

に行ってきました。

東京・谷中の全生庵には怪談を得意とした明治の噺家三遊亭圓朝天保10<1839>-明治33<1900>年)ゆかりの幽霊画50幅が所蔵されています。本展は、この圓朝コレクションを中心として、日本美術史における「うらみ」の表現をたどります。

幽霊には、妖怪と違って、もともと人間でありながら成仏できずに現世に現れるという特徴があります。この展覧会では幽霊画に見られる「怨念」や「心残り」といった人間の底知れぬ感情に注目し、さらに錦絵や近代日本画、能面などに「うらみ」の表現を探っていきます。(以上サイトより)

 

東京藝術大学美術館は、千代田線根津駅から10分程歩きます。
途中、池之端、大黒様がある護国院を経由していきます。

 

今回、9月1日から展示の、上村松園の「焔(ほむら)」
を見に行こうと思ったのですが、

円山応挙画(伝)の、幽霊画が今週末までということで
「やっぱり前半も行こう」と思い立ちました。

 

★HPのトップに出てくる画。源氏物語六条御息所
(ろくじょうみやすどころ)を描いたもの。

 

私はコドモの頃から、
たまに「妙」なことに遭遇するんですが、
実際にいわゆる「ゆうれいさん」には遭ったことはありません。

しかし、東京の朝のラッシュの地下鉄とか、
たまに「生きてない人」が乗ってたりします。

そういえば、江口寿さんのマンガで、
ずっと東西線に乗り続けている女子高生の霊の話とかありましたね。
東西線ユーザーなもので)

 

なお、自分の父が亡くなってから、
「生きてる人のほうが怖いかも!」と思ったりもします。

 

面白いのは、明治以前、江戸時代には
幽霊は「いる」ものだったんですね。

だから江戸時代には妖怪画とか
幽霊画が結構たくさん出てくるし、
歌舞伎などでも幽霊モノは結構あります。

四谷怪談とか牡丹灯籠とか。


ところが、開国して西洋医学が
広まってくると、幽霊というのは
「神経」の病であるということになり、

幽霊を見るのは「神経」のビョーキだということに
なったんだそうです。

 

幽霊は着物を着ており、
髪の毛はボサボサ、
やせこけていて、イメージ的には
「餓鬼」のようです。

ところが、そのうち、幽霊と美しさの融合も
登場してきます。


無念さと情念と恨みと愛が複雑に絡み合っているようです。

 

今でも「彼からメールがこない」とか
「彼から連絡がこなくてつらい」というのは
女子の悩みのベスト3に入るものですが、

 

昔は待って待って待ち続けて
ついには相手を恨んで呪いをかけたとか
ついには自害したとか、そういう話もあったりします。

 

女子を弄んで捨てたりすると(はい、例え話です)
後が怖いのは

いつの世も同じみたいです。

 

 

美の宴 操体フォーラム芸術部。

さて「うらめしや」の次は「美の宴」。

www.hotelokura.co.jp

 です。

ホテルオークラ東京の本館は、建て替えのため8月末でクローズします。

その前の、最後の大イベントなのです。

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★「テラスレストラン」にはお世話になりました。




操体の創始者、橋本敬三先生のご子息のお一人は、
ホテルオークラ東京に勤めていらっしゃいました。

橋本保雄さんと言って、伝説のホテルマンと言われていた人です。
保雄氏が引退後、「橋本保雄が引退してから、オークラのサービスの
質が下がった」とどなたかが本に書いていました。

 

★なお、保雄氏が東京の宮城県人会の会長をしていたという話を
聞いたことがあります。
保雄さんは昭和9年、私の父は昭和10年生まれなのですが、
私の父も東京の宮城県人会の役職だったそうなので、
二人とも生前知り合いだったかも、と思うと面白い限りです。


三浦先生から、
保雄氏が、全国大会(全国操体バランス運動研究会)の席で

「君達は、自分達が勉強したことを、こんなに安売りしていいのか」
という話をなさったことを聞きました。

 

操体を「健康体操」だと思っている方々
例えば私は実際「操体って安いもんだと思ってました」(今も思ってるでしょう)
という言葉を関西の操体指導者から聞いています。

 

まあ、健康体操とかラジオ体操習うのに、
わざわざ東京行ったり、高い受講料払うことはないでしょう。

 

だから「操体って安い」とか、操体のイベントの
参加費用が2000円とか3000円とか、
驚くような安さなんだと思います。

逆に「操体は臨床として素晴らしい価値があるし、
からだが満足してくれる」という信念があれば、
それなりのお代はいただくのは当然です。

 

★健康保険が効くとか、
もっと安いほうがいいという方は、そちらに行けばいいのです。

例えば一回1000円の保険治療に20日間かかるのと、
10000円の治療に2回かかる場合。

そういう選択の自由もあるのです。

 

橋本敬三先生も「頂ける人からは、しっかりいただきなさい」
と、おっしゃっているのです。

 

操体」が、ホテルオークラのヘルスクラブで
長年提供されつづけているという、質が高いものなのだ、
ということを、私は誇りに思っています。

 

なので「操体って安いものだ」とは思っていません。

まあ「体操みたいなもんだし、安いもんだ」と
思って提供指導しているのと

「素晴らしい価値がある日本医学だ」という
信念で提供指導しているのとでは、
違って来るのは当然です。

 

 

と、話が少し逸れましたが、

橋本保雄氏はホテルオークラに、
日本で初めてのヘルスクラブを作り、
三浦先生はそこでずっと顧問(つまり、
ヘルスクラブの会員さんに、操体の治療を提供している)
を担当しているのです。

 

また、敬三先生が上京した際は、
泊まるのはオークラで、
遠藤周作氏と対談したのもオークラの和室です。

 

そして、橋本先生は、
今回の「美の宴」の展示会場(平安の間)で、何度か操体
セミナーをなさっています。

 

 そういえば松岡校長もここでセミナーなさってましたね。

 

というわけで、前置きが長いですが「美の宴」に
行って参りました。

平安の間というのは、本当に絢爛豪華な部屋なんですが、
その豪華さと選りすぐりの名作がマッチしているんです。

 

入り口付近には、上村松園の作品が何作か展示されていました。

知ってはいるものの、もしかして実物は初めてというもの
ばかりでした。

展示はまさに「美の宴」。
金屏風の前で何かお目出度い宴がひらかれているようでした。

暗い絵や、ネガティブなイメージの絵は敢えて
今回は展示されておらず、
ひたすら美しく、お目出度く、
うっとりとするようなものばかり。

 

見終えてから、エレベータでオークラ本館の正面玄関に
上がりました。

展示は20日まで、オークラ本館は31日までです。

 

是非どうぞ。