操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

東京スカイツリーと東京タワー「鬼門の塔」と「裏鬼門の塔

東京スカイツリーと東京タワー―鬼門の塔と裏鬼門の塔

東京スカイツリーと東京タワー―鬼門の塔と裏鬼門の塔


東西線が西葛西を出て、中川と荒川を越える鉄橋を渡るとき、右手前方にスカイツリーが見える。中川に沿って、そのまま歩き続けると葛西臨海公園に着くウォーキング用の道からは、東京タワーが見える。東京タワーは私にとって親しみ深いものだ。何だかスカイツリーにばかり注目が集まっているので何だか東京タワーが少し可哀想な気がしていた。「業平橋駅」というのは、昔用事があってよく行ったところだ。浅草に近い、しかし浅草ほど栄えていない下町という印象があった。

この本を読み終わって、最初に考えたのは、学生の頃読んだ高木彬光の「成吉思汗の秘密」に似ているなあ、ということだった。何だか懐かしくなって、また読みたくなったので一冊注文した。これは、昭和32年、名探偵といわれた神津恭介が東大病院に入院し、探偵作家の松下研三と暇つぶしに義経ジンギスカン説の推理を始める。入院中の推理(ベッド・ティテクティブ)というのは、私が好きな「時の娘」と同じスタイルをとっている。

成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫)

成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫)


2008年12月25日のブログ参照

東京の鬼門、裏鬼門というと「帝都物語」好きはさておき、上野公園の五重塔と、芝の増上寺が大手町にある平将門公の首塚を守っているという話を聞いたことがあるかもしれない。
上野公園はほぼ浅草エリアにあると言ってもよい。また、東京タワーは増上寺の近くにある。
ある予言では「裏鬼門に立つ東京タワーが、鬼門に立つ東京スカイツリーを迎え入れる場合に限って、新タワーは不幸をまぬがれる」というものがあるらしい。これはネタばれなのでここには書かない。

帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)

帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)

城下町である江戸、門前町である浅草の違い、神田明神の歴史、日枝神社の意味、上野公園の西郷さんの像の目線のナゾなど、私にとっては非常に興味深い内容が続く。こうやって読み進めると、徳川幕府が江戸を首都と定めた時、天海僧正が如何に注意深く江戸の町をつくり、寺社を配置したのかよくわかる。

一方、この本には皇居のナゾも書かれている。天皇陛下のお住まいは、御所が新設される、あるいは改築されるその都度、大手門から離れていっているというのだ。これもネタバレになるので書かないが、こちらも興味深い。

著者細野透氏は、建築&住宅ジャーナリストであり、東大で学んだ一級建築士でもあるので、建築家、丹下健三の仕事と、東京都庁のナゾにも触れている。

読み進めていくと、東京は大いなる力で守られているのではないだろうかと思えてくるのである。東京直下型地震が心配されているが、東京タワーが東京スカイツリーを受け入れることによって、まぬがれることができるのではないかと思うのは、私の楽観だろうか。