操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

困ったらプロに聞け!

こんにちは。

TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。


今、操体の超初心者向けに、わかりやすいマニュアルを作っています。

 

というのは、相変わらずですが

 

・本を読んでもわからない

・動画を見てもわからない

・受けてみたけど、習ってみたけどわからない

 

という人が相変わらずいらっしゃるからなんです。

 

折角操体に興味を持ってもらったのに「わかんない」「私のセンスでは理解できない」と言われるのはとても勿体ないじゃないですか。

 

というわけで、色々考えてみたところ、色々原因が見えてきました。

簡単に書くと

  • 操体の常識は世間の医学関係情報の非常識である。
  • また、我々がその非常識を「操体の常識」だと普通に思っているので、食い違いがおこったりする。
  • 多くの人が、操体は整体と同じようなものだと思っている
  • 多くの人が、操体は健康体操や養生法だと思っている
  • 多くの人は「操体は『きもちよさ』だと思っているが、その前に「型」を習得する必要がある。
  • 本来「型」(守)を習得してから「快適感覚の分析」(破)に進むべきところだが、「快」のほうが有名になっているため、いきなり「破」の「やり方」だけ真似して「操体のきもちよさはわからない」という人も多い。
  • 指導者自身が「楽と快の違い」をわかっていない(これが最大の問題)
  • 「快」が聞き分けられない場合もある(快は絶対あるという変な思いこみがある)
  • 自分でできる範囲を過信している

ああ、全然簡単ではないですが(笑)私のメモも兼ねているのでご容赦くださいね。

 

操体の常識は世間の非常識であり、世間の常識で操体を理解しようとするから、わからなくなるんですね。

 

最後の「自分でできる範囲を過信している」というのは、なんでも自分でできる、という思いこみです。

 

操体では、その人がセルフケア(自力自療)できる健康度でない場合は、我々専門家が手助けし、セルフケアできるところまでお連れする、と考えます。

 

世の中には「操体って自分でできるんだから、操者なんて不要じゃん」というド○ホもいたりしますが、本人がどうにもならない時のために、我々がいるわけですね。

 

というわけで、プロに聞け!ということですが、先日、あるチャンスがあり、長年メルマガを愛読し、講習を何度も受けている、エンパシー・ライティングの、中野巧先生のzoomセッションを受けました。

 

メルマガを長く読んでいる上、講座にもかなり参加しているので、一方的に「知ってる人」みたいに色々伺ってしまいましたが、本当に勉強になりました。

 

エンパシー、というのは「共感」という意味があります。

この本は、実行委員の若手には「読め」、と勧めていますし、私自身何度か中野巧先生の講座にも参加しています。

 

興味深いのは「型」を大事にしていること。

操体も、最初は「型」です。

型をやらずにいきなり自由形に行こうとすると、挫折します。

型あっての自由形なんです。

 

 

 

操体も「ことば」を大事にしています。

「言葉は運命のハンドル」と、橋本敬三先生もおっしゃっていますし、治りにくいクライアントの口癖も知っています。

 

そして我々は「言葉」と「体感語」を使うのですが、多分、現代催眠に通じるところがあるのでは?と思ったりします。

 

ちなみに、私が共感するのは、過度のポジティブ思考の弊害です。エンパシー・ライティングでは、ネガティブな思考にも共感するのです。

 

なにせ操体は患者様やクライアントには「がんばらなくていいんだよ」と言うし、

「間に合っていればいいんだよ」と言います。

大抵は「頑張って」からだを壊しているからです。

 

創始者橋本敬三先生は大正時代にすでに「がんばらなくていい」と言っていました。なお「がんばらなくていい」ということは、怠けろとかだらしなくてもいい、ということではありません。念のため。

 

今回、私にとっても刺さった言葉があります。

「自分を雑に扱うと心を感じる感度が鈍くなる」という一文です。

 

これ、操体にも思いっきり通じます。

 

「自分を雑に扱うと『感覚』が鈍くなる」。

かといって、皆さん、自分を雑に扱いたくて扱っているわけではなく、そこには色々な理由がある。

操体も、そんな方々に寄り添って「快」を味わってもらうことによって、鈍っていた感覚を甦らせ、本来の自分を取り戻して欲しいのです。

 

empathywriting.com

 

zoomのセッションを受けて思ったのは「やっぱり困ったらプロに聞け!」だ、ということでした。

 

プロはその作品を作るとか、それをマスターするためには、お金も時間もかけているわけですが、その苦労の結果を教えてもらえるわけですよね。

 

私はあることを聞きたくてセッションを受けたのですが、また道が開けました。

 

やっぱり「困ったらプロに聞け」です。

 

皆さんも「操体のここがわからない」と思ったら、プロ(私と言わず、東京操体フォーラム実行委員でも)に聞いてくださいね。

 

さて、来たる4月29日(月)昭和の日は、例によって市ヶ谷の「ルーテル市ヶ谷センター」にて、2024年春季東京操体フォーラムを開催致します。

テーマは「臨床と生活にいかす操体法」。

 

私は実技をたくさんやります。

リクエストしてくだされば、その場でやります。

質問もお受けします。

 

 

www.tokyo-sotai.com

開催案内 | 2024年春季東京操体フォーラム | Tokyo Sotai Forum